2020 Fiscal Year Research-status Report
神経性過食症患者の自尊感情を向上する個人療法の開発と評価
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19K21014
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
竹田 剛 神戸学院大学, 心理学部, 講師 (50823746)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経性過食症 / 摂食障害 / 自尊感情 / 自己概念 / 効果研究 / プロセス研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性過食症患者の自尊感情を向上する個人療法の開発と評価を行うため,開発された個人療法を実施し,その評価を行う効果研究を行った【研究C】。このとき面接担当者の性差が効果に与える影響についても検討するため,面接担当者を男性・女性1名ずつ用意して実施した。研究協力者(個人療法への参加者)として,総合病院の心療内科に外来通院中の神経性過食症等をもつ女性患者にリクルートを行った。加えて本年度はCOVID-19による患者来院数の減少に対処するため,個人療法をオンライン上で遠隔心理支援として実施できる体制およびシステムを整えた。具体的には①zoomを用いたオンラインセッションとし,②インフォームド・コンセントを得る際には通常の説明文章と併せて,遠隔心理支援実施時の留意点および不測の事態の対応を説明する文章を添付した。③効果指標は昨年度と同様のものをwebフォーム上で回答できるよう整備し,フォローアップ時のインタビュー調査も遠隔で行った。 協力者の人数は十分な値に達していないものの,量的指標からは概ね対面実施時と同様にポジティブに変容する傾向がみられている。またインタビュー調査からも変容する上での要所が語られており,質的分析上の観点が示唆されている。 これらの実績の一部を,こころの発達研究所 葉 主催「自尊感情を支える・育む」の講演にて発表し,自尊感情を向上する上で要所と考えられる点について注目を促し,またそれに対する実践例などを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の感染拡大を受け,研究実施施設への治療目的以外の立ち入りが一時制限されるに加え,患者来院数も著しく減少した。2020年度を通してこの状況は大きく改善されることはなかった。それにより【研究C】を遂行する上で必要となる研究協力者(神経性過食症等をもつ女性患者)のリクルートについて問題が生じたため計画の実行が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は個人療法をオンライン上で遠隔心理支援として実施できる体制およびシステムを整えるなど大きな改革を行ったが,それでも研究協力者のリクルート数不足の問題は十分改善されなかった。今後はリクルート先として複数の施設を選定するなど,オンライン上で実施できる長所を活かした対策を取ることとする。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症拡大のため,研究遂行が十分に行えなかったため次年度使用額が生じた。
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