2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H05828
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
谷田川 友里 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90819343)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 特性サイクル / 分岐 |
Outline of Annual Research Achievements |
正標数の完全体上の代数多様体の次元が3次元以上であり、代数多様体上の階数1の層の因子に沿った分岐が強クリーンである場合に層の特性サイクルに層の分岐の不変量を用いた表示が与えられるかを研究した。特性サイクルはオイラー数を計算できることが知られており、特性サイクルを分岐の不変量を用いて表示し、オイラー数と分岐の不変量との関係を与えることが本研究の目標である。 因子に沿った分岐が強クリーンな階数1の層に関しては、すでに特性サイクルとの一致が期待される代数的サイクルが分岐の不変量を用いて明示的に構成できており、これらの構成法の異なる2つの代数的サイクルの一致が示せれば特性サイクルに分岐の不変量を用いた明示的な表示が与えられるというところまで進んでいた。当初は層の曲線への制限についての分岐の不変量を用いて特性サイクルを計算することで2つの代数的サイクルの一致を示す予定であったが、特性サイクルとは別の比較の難しい不変量の比較が必要になり、別の方針を考えた。最終的には、計算により2つの代数的サイクルが一致するかどうかが論理的には判定できる方法を見つけることができた。これについては、引き続き研究を進め、2つの代数的サイクルが一致するか否かを早めに確かめたい。 研究発表に関しては、9月に東京、11月に奈良で特性サイクルと分岐の不変量との関係に関する研究発表を行った。8月に中国を訪問した際にも同様の内容に関する発表を行った。また、2月に数論を専門とする国内研究者を招聘し2日間のセミナーで講演をしていただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の一つである分岐が強クリーンな層の特性サイクルの分岐の不変量を用いた表示について、当初考えていた方法では難しいことがわかったが、それに変わる方法により進展が見込まれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
代数多様体の次元が3以上の場合に階数1で因子に沿った分岐が強クリーンである層の特性サイクルの分岐の不変量による表示についての研究を引き続き進める。分岐についての条件をクリーンにまで弱めた場合についても研究を進めたい。
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