2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21025
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
杉山 真吾 日本大学, 理工学部, 助手 (70821817)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 跡公式 / L関数 / Hecke作用素 / Hecke固有値 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数体の2次拡大のGL(2)に対する相対跡公式の幾何サイドの整備を試みた. 今年度は完全な記述には至らなかったが, 今後も取り組む予定である. 一方で, 跡公式の応用と関連がある, Hecke作用素の固有値の研究に関する進展があった. 佐久川憲児氏と共同で, Hilbert保型形式とSiegel保型形式のHecke固有値の代数的整数性を一般的な設定で与え, 論文としてまとめた(近々投稿予定である). この佐久川氏との共同研究ではさらに, 重さが平行でないHilbert保型形式のHecke固有値の代数的整数性の応用として, GL(2p)(但しpは素数)のコホモロジカル・カスプ形式の無限族であって, L関数の中心値が非消滅かつHecke体の拡大次数が無限大に発散するものが存在することを証明した. この成果を導出するにあたり, 筆者が以前研究したGL(2)の極大分裂トーラスに対する相対跡公式と保型誘導を組み合わせた手法を用いた. また, Siegel保型形式の場合は, Hecke固有値の代数的整数性の応用として, 「Hecke体の拡大次数が無限大に発散するようなSiegelカスプ形式の無限族が存在する」が導出できる. この応用法自体は既に知られているが, 一方でSiegel保型形式のHecke固有値の代数的整数性の証明がなされている文献は存在しない. したがって本成果におけるHecke固有値の代数的整数性は, 基礎文献として重要な役割を果たす.
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Research Products
(3 results)