2018 Fiscal Year Annual Research Report
2次元ファンデルワールス・トリカルコゲナイト磁性体のスピン検出
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18H05840
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井土 宏 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (20784507)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 2次元物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2018年度においては、2次元反強磁性体ファンデルワールス物質と金属層の高品質な接合の作製を試みた。2次元反強磁性体ファンデルワールス物質と金属層をともに原子間力顕微鏡で評価し、良好な平坦性を確認した。また2次元ファンデルワールス反強磁性体物質で素子作製のために十分大きな面積の平坦なエリアをもつ結晶薄片を作製できることを確認した。金属層の成膜において異なる膜厚の試料を作製した。電気伝導測定を行い、スピン伝導測定の試料に用いるための条件を全て満たす膜厚が存在することを確認した。このような膜厚領域における製膜の再現性を確認した。2次元反強磁性体ファンデルワールス物質の薄片をRaman顕微鏡により評価した。明瞭なRamanピークから結晶性を確認した。顕微鏡におけるレーザー出力を変調し、素子形状を変化させることが出来ることを確認した。また原子間力顕微鏡を用いて膜厚を測定し、光学コントラスト・膜厚・Ramanスペクトルの関係を確認した。原子レベルで薄い領域においては膜厚によりRamanスペクトルが堅調に変化することが確認された。また光学顕微鏡像におけるコントラストの微細な変化に着目して、良好な試料を効率的に選択した。素子作製に必要な、試料の経時変化・薬品中でのダメージ・熱によるダメージについて評価を行ったが特に問題となる大きなダメージは検出されなかった。 以上、2次元反強磁性体ファンデルワールス物質と金属層の接合の作製・評価を行い、素子作製の基盤となる実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、平坦性の高い反強磁性ファンデルワールス物質と金属界面の作製ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に作製手法・条件を確かめた反強磁性物質ファンデルワールス物質・金属へテロ構造の試料のデバイス化を行い、スピン伝導特性の測定を行う。
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