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2018 Fiscal Year Annual Research Report

自動車用ヒューズ内のアークに対する粒子数密度/ガス特性の二次元分布計測法の開発

Research Project

Project/Area Number 18H05848
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

児玉 直人  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80828971)

Project Period (FY) 2018-08-24 – 2020-03-31
Keywordsアーク / ヒューズ / 分光
Outline of Annual Research Achievements

2018年度にでは主として,珪砂が充填された高分子円筒を併用した電気自動車用ヒューズ内で生成されうるアークに対して,以下の研究を実施した.(1)ヒューズ内部アークの熱平衡組成・熱力学特性計算コードの開発と計算,(2)自動車用ヒューズを模擬した空間においても光学観測が可能なアークチャンバーの設計と作成,(3)アークに対する時間・波長分解分光計測システムの構築と観測,(4)二次元・時間分解分光システムの設計.
(1)については,凝縮相まで考慮した熱平衡組成の計算コードの作成が完了し,様々な条件におけるアーク組成の計算が進んでいる.また,計算された組成に対する熱力学特性の計算も行うことで,アークに対して珪砂と高分子蒸気が同時に混入した場合のアーク特性の変化の理論的な変化の検討に成功している.
(2)については,Cuアークと珪砂および高分子材が混入した空間に対して直接的な光学観測が可能なチャンバーを作成し,これまでに光学観測に使用している.これにより,高分子円筒内における珪砂粒子やCuアークの挙動の検討が可能になった.(3)-(4)についてはシステムの設計が終了し,(3)のシステムについては観測テストまで終了している.(4)については,設計及び必要物品の購入が終了しており,現在は光学系の構築を行っている.
アーク観測をより効率的に行うために,(3)の時間・波長分解分光観測システムと(4)の二次元分光観測システムを同時に運用することが可能な様に光学系を再設計した.これにより,本研究の最終目的であるアーク内の粒子数密度の二次元分布推定をより効率的に進められることを期待している.アーク内の温度や粒子数密度を発光スペクトルの観測結果から解析・推定する計算コードについても,作成がほぼ完了している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

熱平衡粒子組成および熱力学特性計算コードの作成は計画通りに進んだ.また,時間・波長分解分光観測装置の構築についても,予定通り進行し観測テストまでが終了してた.一方で,以下の点から,進行に遅れが生じた.
(a)アーク観測チャンバーの作成に関する問題.珪砂充填高分子円筒内に発生したアークを観測可能なチャンバーの製作が,加工技術の課題から作成が遅れた.しかしながら,こちらについてはチャンバーを再設計することでアーク観測が可能なチャンバーの作成に成功している.そのため,これらについては遅れはあるものの問題なく進んでいる.
(b)二次元分光観測装置の設計に時間を要した.当初は,発光スペクトルに対する時間・波長分解計測と空間分解計測装置を別々の装置として運用し,個別の観測を行う予定であった.しかしながら,観測上の利点から,同一の観測場所を同時に観測可能な様に二次元分光観測系の仕様を変更した.これに伴う光学系の再設計や部品の選定により,遅れが生じた.

Strategy for Future Research Activity

2019年度は以下の点を主に進める.
(1)5月中-6月初旬をめどに二次元分光観測系の設置を完了させ,アークの二次元分光観測を行う.観測波長を様々に変えつつ観測を行うことで,ヒューズ内部アークに対する粒子分布を推定する.
(2)発光スペクトルに対する時間・波長分解計測により得られた放射係数に対して,自作のフィッティングコードを用いることで,アークの温度や粒子組成を推定する.これにより,特定の観測点におけるCuアークの特性に対する珪砂や高分子蒸気混入の影響を検討する.
(3)発光スペクトルに対する時間・波長分解および空間分解同時計測の結果を用いることで,アーク特性の空間的な分布推定を試みる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 珪砂中へのPMMA円筒設置時における直流アーク抵抗上昇機構の検討2019

    • Author(s)
      兒玉直人,横水康伸,高橋明里,中村晃也,近藤祐介
    • Organizer
      平成31年電気学会全国大会
  • [Presentation] 珪砂中へのPA66, PMMAおよびSi樹脂設置による直流アーク遮断時間の短縮-原子化エンタルピーからの解釈-2018

    • Author(s)
      兒玉直人,高橋明里,中村晃也,横水康伸,近藤祐介
    • Organizer
      電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会
  • [Presentation] Installation of PA66, PMMA or Si-resin cylinders in silica-sand for rising arc voltage during DC interruption2018

    • Author(s)
      Naoto Kodama, Asato Takahashi, Koya Nakamura, Yasunobu Yokomizu and Yusuke Kondo
    • Organizer
      International Workshop on High Voltage Engineering
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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