2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fully conservative scheme for relativistic Vlasov simulation including collision terms
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19K21038
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
白戸 高志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所核融合研究所 核融合炉システム研究開発部, 研究員(任常) (10827520)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 運動論プラズマ / 計算物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以前開発した相対論的Vlasov-Maxwell系に対する電荷・運動量・エネルギー保存スキームに実装可能である、Landau形式の相対論的Fokker-Planck衝突項スキームを開発した。この方程式から運動量・エネルギー保存則を導出するには、非線形なBeliaev-Budkerカーネルが持つ数学的対称性を離散化後のシステムにおいても厳密に保持する必要がある。我々はエネルギーを運動量差分して求めた速度をBeliaev-Budkerカーネルの引数として代入することにより、解が数値誤差で汚染されていたとしても数学的対称性を誤差なしで表現できることを発見した。数値実験の結果、線形理論を再現しつつ保存則を倍精度浮動小数点数の限界である14桁程度の精度で再現し、本研究で構築した計算理論の正当性を実証した。 また、積分微分方程式であるLandau形式は計算量が非常に大きいため、ポテンシャル論に変換したRosenbluth形式における完全保存スキーム開発を行った。ただし、ポテンシャル形式での完全保存スキームは非相対論であっても世界的に成功例は報告されていないため、非相対論の範囲で議論を行った。本研究では、Rosenbluth形式を離散化する上で有限要素法の一種である不連続ガレルキン法を採用した。特に異種粒子衝突を扱う場合には、エネルギー方程式の体積積分項の数値誤差により保存則が破られがちであるが、体積積分項を解析的に変形することにより粒子種に関する数学的対称性を持つ弱形式の方程式を導出することに成功した。数値実験の結果、保存則を厳密に保持しつつ解析的な平衡分布を再現し、20年来の未解決問題である完全保存型Rosenbluthスキームの開発に成功した。
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