2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21045
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼田 充 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特任助教 (10822033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 加速器 / 素粒子(実験) / 大規模計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界最高エネルギー陽子陽子衝突型加速器LHCを用いた実験では世界規模の分散コンピューティングシステム、The Worldwide LHC Computing Grid (WLCG)を構築し膨大なデータを処理している。LHCを用いた実験の1つであるATLAS実験では常時30万から40万CPUコアを用いて実験データの処理やモンテカルロシミュレーションの生成を行っている。LHCでは2026年から衝突頻度を5倍にする計画があり取得されるデータ量も増えるが、現在の予算で見込めるコンピューティングシステムでは全てのデータを処理しきれないと見積もられている。そこで、本研究ではATLAS実験の計算環境としてGPGPUを導入しGPGPU用のソフトウェア開発を行うことで同規模の予算でも全てのデータを処理できる様に計算能力を向上させることが目的である。 昨年度はGPUを載せられる計算機筐体を購入し、低性能なGPUを載せた状態でシステムの構築を行った。本年度はさらに単精度の計算能力が高いNVIDIA Tesla T4を購入し計算機筐体に載せ本格的な利用が出来る環境を整えた。 計算機環境としてsshによるログインでの直接的な利用に加え、JupyterNotebookを用いた利用環境を構築した。これによりより自由度が高い解析環境を提供することが出来、より多くの人が使い始めることが出来るようになった。本計算機センターではこれまでその様な手段の準備もなかったため、通常のCPU計算環境としても新しい形を提供することになり、今後の計算機利用の新しい形として示すことが出来た。本研究により作成したシステムで実際にGPUを使うことで、本格的に使うにあたり必要なリソース量などを求め、実際にいくつかGPUを別の予算で購入し、将来に向けより本格的な計算機環境の構築を計画することが出来た。
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