2019 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気爆発発生機構の解明を目指した浅部熱水系の物理状態の研究
Project/Area Number |
19K21058
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
関 香織 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (90828047)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱水系 / 水蒸気噴火 / 火山ガス / 温泉水 |
Outline of Annual Research Achievements |
水蒸気噴火は国内外で数多く発生する噴火形態のひとつで,その発生機構は解明されていない.本研究課題では,水蒸気噴火が発生した,または発生しうる火山である,箱根大涌谷と立山地獄谷で,火山ガスおよび温泉水の化学分析を行なった.箱根大涌谷に関して,2018年7月以降,2015年の水蒸気噴火以降に形成された噴気を中心に,3度のサンプリングを行い,化学組成と水・硫黄の同位体比組成を測定した.このうち,地震・地殻変動があり噴火警戒レベルが2になるなど,火山活動が活発化していた2019年6月に採取した噴気は,SO2/H2SおよびCO2/CH4の比が増加し,それ以前に採取された噴気と比べ,マグマ性成分の寄与が大きいことが示唆される一方,水の同位体比組成には,大きな変化は見られなかった.硫黄の同位体比から同位体平衡温度を見積もると,206度から258度と推定された.200度から260度の飽和水蒸気が,熱水系に存在し,地表に達するまでエンタルピーが保存されると仮定すると,地表では160度から186度の過熱蒸気になると計算される.この温度は,大涌谷の噴気温度の上限とよく一致している.立山地獄谷は,2019年9月に火山ガスおよび温泉水を採取し,水・硫黄の同位体比と化学組成を測定した.その結果,噴気の一部は100度の同位体分別を受けたものと,より高温でマグマ水と天水が分離したものの2種類あることがわかった.温泉水は,Clが極端に多い温泉水が存在し,気液分離の影響を受けていると示唆される.また,温泉水の一部は,Clがほとんど含まれずSO4主体の温泉で,これらの温泉水の水の同位体比は,マグマ水の同位体比に近い値から,天水の同位体比の値まで示す.また,ClとSO4の濃度が1対1に近いトレンドを持つ温泉水が湧出し,地獄谷の温泉水は大きく3つにわけることができた.
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[Presentation] Hydrothermal system beneath Owakudani, Hakone Volcano, inferred from 3D resistivity structure and composition of fumarolic gases2019
Author(s)
Seki, K., Kanda, W., Mannen, K., Shinohara, H., Takakura, S., Koyama, T., Noguchi, R., Ishikawa, M., Fukai, M., Yukutake, Y., Harada, M., Abe, Y.
Organizer
International Union of Geodesy and Geophysics
Int'l Joint Research