2018 Fiscal Year Annual Research Report
Design of low friction lubricant containing nanodiamond particles
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18H05882
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
馬渕 豊 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00823296)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 低摩擦 / ダイヤモンド / 潤滑油 / 官能基 / ナノ粒子 / エンジン / 燃費 / 重水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ナノダイヤモンドによる摩擦低減モデルの検証を行うために、純水及び重水を用いた試験に特化し、1.溶媒中のナノダイヤモンドを抽出し、直接粒子表面の官能基を分析する手法の確立、2. 純水/重水(同位体含む)の比較試験から、ナノダイヤモンド表面の-OH基が、摺動中に溶媒から供給されることを検証することに取り組んだ。 その結果、純水にナノダイヤモンド0.1wt%添加することで、摩擦係数が最大で約1/4に軽減する条件を見出し、低摩擦化のメカニズム解析に用いる試料を得た。また、水に分散したナノダイヤモンド粒子を、遠心分離機により抽出、真空乾燥することで、2mm角の固形物として抽出することに成功した。固形化により、XPS等の真空機器内にて飛散することなく分析が可能となる。以上より、ナノダイヤモンドの直接粒子の表面状態を観察する手法を確立した。 試験前後のナノダイヤモンド粒子表面をXPS分析により観察することで、O1sスペクトルにおいてC-O結合の増加傾向を確認した。一方、試験後の相手材であるDisk側に、ナノダイヤモンドの凝集体の付着が認められ、XPSにて分析した結果、ナノダイヤモンド粒子と同様にC-O結合の増加が認められた。更に、重水を用いた比較試験において、試験後のDiskのTOF-SIMS分析より、摺動部において顕著な重水素の増加を確認し、官能基の変化が溶媒(重水)由来である可能性が示唆された。 以上の結果から、当初の仮説である粒子表面の官能基の変化に加え、相手材表面に付着したナノダイヤモンド粒子の影響も低摩擦の要因として考えうることから、二つの低摩擦機構の可能性を考慮しつつ、引き続き検証を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験後のナノダイヤモンド粒子のTOF-SIMS分析による検証が遅れた。その理油は、当初想定していなかったDisk側の分析が増加した点に加え、TOF-SIMSの装置上の課題として、使用した機器が分析試料を縦置きで計測する方式のため、固形粒子を垂直面に確実に固定する改良を加える必要が生じたためであり、2019年度第一四半期に延期することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記遅れを考慮し修正後の今年度の計画を示す(当初の全体計画は変えない)。 1)重水を用いたナノ粒子表面の官能基置換モデルの検証(4~6月):重水に分散したナノダイヤモンド粒子と摺動部のTOF-SIMSによる官能基の分析、以上による官能基置換モデルの検証と、低摩擦メカニズムの解析。検証の遅れは、TOF-SIMS分析機器を所有する都立産業技術センターと個別の協力関係を築き、研究を加速する。 2)エンジンオイル添加剤と基油を用いた摩擦評価と上記因子での解析(7月~2月):基油にZnDTP、Ca清浄剤、コハク酸イミド分散剤をそれぞれ用いた摩擦試験を実施し、試験前後の分散状態、官能基の解析を行うことで、低摩擦化の阻害要因を解析する(各種添加剤、試験片の購入、外部での高精度XPS分析の実施)。 以上の解析結果を基に、ナノダイヤモンドを分散した潤滑油設計の指針としてまとめる。
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