2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Combustion Mechanisms in Metal/Water Hybrid-Thruster
Project/Area Number |
19K21064
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 勇士 東北大学, 工学研究科, 助教 (50828788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超小型衛星 / ハイブリッドロケット / 金属燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
超小型衛星の多機能化および深宇宙探査には,推進機がますます不可欠な存在となる.高度なミッションには多様な推進能力が求められる.その中で,無毒で安全かつデブリ回避・軌道投入に必要な高速マヌーバを実現する大推力推進機として,金属/水ハイブリッドスラスタが提案されている.これまでの金属/水ハイブリットスラスタの研究は,アルミニウムおよびマグネシウムを対象として行われてきたが,いずれも水素発生器あるいは打ち上げ用ロケットを想定している.したがって,すべての研究は高圧かつ金属粉体燃料を設定しており,宇宙空間を想定した低圧下および非粉体金属燃料での本反応を利用したスラスタ研究は行われていない.本研究では,金属/水を用いたハイブリッド超小型衛星用スラスタの宇宙作動実証を目指し,金属/水―反応系の燃焼機構の解明を行うことを目標として研究を進めている.昨年度はアルミニウムを対象として宇宙空間を想定して真空下でのテルミット反応を用いてアルミニウム表面の加熱を検討したが,真空下での反応の難しさを明らかにした. 本年度はプラスチック/酸素の従来型ハイブリッドロケット燃焼を用いて,塊状アルミニウムを加熱し水の反応を開始させることを目的として研究を進めてきた.従来型ハイブリッドロケット燃焼器内に塊状アルミニウムを挿入し,プラスチックと酸素によるハイブリッドロケット燃焼を行いアルミニウムを加熱した.その後,バルブ操作によって水を供給し,燃焼器内部で加熱されたアルミニウムと水の反応を燃焼実験によって確認した.ロケットノズルから溶融したアルミニウムを確認した後,水を供給したが,アルミニウムと水の反応を確認することはできなかった.これはアルミニウムの高い熱伝導率によってアルミニウムを効率的に加熱することができないことが原因であり,塊状アルミニウムと水ハイブリッドロケットの難しさを本研究によって明らかになった.
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Research Products
(6 results)