2019 Fiscal Year Annual Research Report
Degradation mechanism of solid oxide fuel cells and solid oxide electrolysys cells
Project/Area Number |
19K21067
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
志村 敬彬 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70814143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / 固体酸化物形電解セル / 三次元電極微細構造再構築 / 酸素同位体ラベリング / 二次イオン質量分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては,固体酸化物形セルの燃料電池(SOFC)モードおよび電気分解セル(SOEC)モード運転における劣化メカニズムを明らかにするため,電極性能変化を電極微細構造の三次元再構築手法を用いて検証した.代表的な燃料極材料であるNi-YSZおよびNi-GDC燃料極を,両運転モードにて800℃の運転温度にて100時間運転し,電極性能の変化を計測した.計測後のセルから試料を作成し,収束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)を用いて三次元の電極微細構造を解析した.両材料共に,ECモードにおいてオーム抵抗の増加が顕著に見られた.また,両運転モードにおいて,Ni-GDCはNi-YSZに比べより大幅な分極抵抗の増大が見られた.三次元電極微細構造の定量評価により,Ni-YSZのECモードおよびNi-GDCの両運転モード時に,電解質付近からニッケルが少なくなる様子が見られた.また,Ni-GDCにおいてはGDCの薄い層がニッケルを覆うように変化する様子が観察された.さらに,多孔質電極内の反応メカニズムを検証するため,LSM-YSZ空気極を用いて酸素同位体ラベリング試験を行い,三次元電極微細構造解析を組み合わせることで,電極微細構造の観点から反応メカニズムを検証した.同位体ラベリング後の電極微細構造をFIB-SEMにより取得し,加工後の断面を二次イオン質量分析法(SIMS)により解析した.さらに,観察面から再びFIB-SEMで連続画像を取得することで,三次元微細構造とSIMS解析の対応を議論した.SIMS断面から,LSM内部に電気化学反応により取り込まれた酸素同位体が観察された.三次元微細構造解析の結果と比較し,連結していないLSM相内部においては,同位体の強度は極めて低いことが分かった.
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Research Products
(2 results)