2019 Fiscal Year Annual Research Report
火炎式噴霧熱分解を用いた複合ナノ粒子構造制御による担持金属触媒の高分散・高耐久化
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19K21068
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長澤 剛 東京工業大学, 工学院, 助教 (80824010)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 燃焼合成 / ナノ粒子 / 構造制御 / 担持金属触媒 / 熱流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃料電池の電極や燃料改質・排ガス浄化用触媒として広く使用される担持金属触媒においては,小さな金属粒子サイズと高い分散状態を長時間維持できる構造の開発が強く望まれる.本研究では,燃焼合成によって金属が担体マトリックスに固定化された複合ナノ粒子を作製し,金属粒子の凝集を防ぎつつ高い比表面積・分散状態を有する触媒構造を実現することを目的とする. 初年度である2018年度は,拡散火炎バーナーを用いた燃焼合成装置の設計・製作を行った.前駆体溶液を超音波振動で霧化してバーナー火炎中に供給する構造とし,これを用いて白金前駆体・セリウム前駆体の混合溶液から白金/セリアナノ粒子を合成できることを確認した. 最終年度である2019年度はまず,昨年度合成した白金/セリアナノ粒子の詳細な構造解析を行った.得られた粒子の構造を調べる上で,TEMによる透過像のみではPtがCeO2の表面上に存在するのか,構造内に埋め込まれているのかを区別するのが難しい.そこで複数の角度から同一粒子のTEM像を取得し,3次元画像として再構築するTEMトモグラフィーを実施した.得られた立体像及び断面スライス像より,PtはCeO2表面上には存在せず,表面近くで一部埋め込まれている,あるいはCeO2に内包されていることが明らかとなった.またTEM像から得られた粒径分布より,セリアと白金はそれぞれ平均粒径が108nm,81nm程度であった.最後に前駆体濃度が粒子構造に与える影響を調査した結果,前駆体濃度を0.1倍にするとセリア,白金の粒子径はそれぞれ25%,13%減少することが明らかとなった.
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