2019 Fiscal Year Annual Research Report
MIMO data-driven controller auto-tuning method for next generation high-precision motion systems
Project/Area Number |
19K21076
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 亘 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60823888)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 制御器自動設計 / データ駆動制御 / モーションコントロール / 最適化 / 精密位置決め / 外乱オブザーバ / ディジタル制御 / システム同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ロボットや位置決めステージといった産業機械に対する,周波数応答データ駆動の制御器の自動設計を目的とした。 近年,高分解能エンコーダの低下価格化に伴い,駆動側だけでなく負荷側にもセンサがつけられるフルクローズド制御が普及しつつある。また,剛体の自由度を超える数のアクチュエータを持つ装置も増えている。ところが,1入力1出力系から多入力多出力系になると制御器が複雑になりチューニングパラメタが増えるため,組み合わせ爆発を起こし,制御器調整が難しくなる。そのため,単純な制御器を用いるか,熟練の作業員が経験的にチューニングすることが一般的であった。そこで本研究では,1) パラメトリックモデルを用いない,周波数応答データを用いた制御器自動設計法,2) 周波数応答データを用いた高性能なフィードフォワード制御器,を提案した。
1-1) 1入力2出力系に対する制御器の自動設計法を提案した。コロケート側(モータ側)エンコーダと,ノンコロケート側(ステージ側)エンコーダの双方を使う「自己共振相殺制御」をインナーの速度制御ループを持つ構成で,外乱抑圧性能を高めている。また,逐次線形化法と非線形最適化法を使用することにより,高性能な制御器を自動設計することに成功した。1-2) 剛体の自由度に対して冗長アクチュエータを持つ系に対して,「重心点と回転中心のハイブリッド駆動」を提案し,軸間干渉を抑圧した。1-3)自動車やロボットなどへの適用例の多い外乱オブザーバの,周波数応答に基づく自動設計法も提案した。2-1)不安定零点がある系に対するフィードフォワード制御法の提案・実験検証を行った。2-2) サンプル点上・サンプル点間の誤差のトレードオフを両立させる,新たなフィードフォワード制御器設計法を提案した。
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