2018 Fiscal Year Annual Research Report
1入射多方向撮影による超小型かつ振動に対して強固な3次元変位分布計測手法の提案
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18H05904
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
後藤 優太 福井大学, 学術研究院工学系部門, 助教 (90827057)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | デジタルホログラフィ / 三次元変位計測 / 内部欠陥検出 / カメラキャリブレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度における研究目的は以下の二つであった. 1.基本原理の検証: 基本原理を実験的に確認するために,撮像素子をいくつかの領域に分けて3次元変位分布計測実験を行う. 2.位置ずれ補正及びキャリブレーション手法の導入: 複数の撮像素子を用いる場合の位置ずれ補正及びキャリブレーション手法が本手法に導入できることを実験的に示す. 本項目に関して,本年度は以下の内容を実施した. まず, 基本原理実証を行った.撮像素子を4つの領域に分割してデジタルホログラフィによる計測を行い,位相が再生できることを確認した.この時,計測を容易に行うことのできる荒い表面を有する金属平板を用いた.計測した各領域の位相から感度ベクトルを求めることに成功し,xyzの各軸における変位量を算出した.次に,位置ずれ補正手法の導入を検討した.具体的な内容として,周期的な白黒の格子パターンを印刷した紙をカメラによって計測し,一般的な縞解析法を用いてその格子パターンの位相を求める.各領域で計測した格子パターンは同じであるため,求めた位相値を基準にして各領域の各画素が物体上の同一の座標位置に配置されるように画像を再構成する.本手法の実証実験を行った結果,1画素程度以内に位置の誤差が収まることを確認した.最後に,金属平板を用いた実験を行い,キャリブレーション手法について検討した.最も簡易なキャリブレーション手法として,金属平板がxyzの各軸方向の初期位置(x=0, y=0, z=0)にある場合の位相及び,任意の位置(x=240μm, y=240μm, z=100μm)にある場合の位相を算出し,その二つの位相から直線の式を求めることでキャリブレーションデータを作成した.これらの成果は,本手法の実現可能性を示すために重要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のとおり,本年度は基本原理実証を行い,分割した撮像領域を用いた場合であってもデジタルホログラフィによる位相の計測が正しく実行でき,x,y,zの各軸における変位量を算出することが可能であることを示した.また,位置ずれ補正手法の導入を検討した.撮像領域の分割に伴う各領域の位置ずれの補正が可能であることを確認した.また,本手法に付随して,レーザー干渉を用いた変位計測手法についても検討した. 以上より,当初の計画通り,本手法の実現可能性を示すことができたため,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
撮像素子の分割によるデジタルホログラフィと位置ずれ補正のためのキャリブレーション手法の動作確認を完了している.続いて,これらの結果をもとに統合的な3次元変位計測実験を行い,本手法の全体的な動作確認実験を完了させる.次に,高解像度(4096×3072)な撮像素子の分割数を多数にし,3次元変位分布計測実験を行う.この時,分割数は30から100の間として検討する.また,分割数を過剰に増加させた場合,1領域あたりの解像度が低下するため計測精度が劣化する恐れがある.したがって,最適な分割数が存在すると考えられるため,この点について検討する.また,複数の撮像素子を用いる従来手法と系統誤差の有無を比較することで,本手法が振動に対してロバストであることを示す.最後に,ここまでの結果を国際学会及び学術論文誌へ投稿する.
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Research Products
(3 results)