2018 Fiscal Year Annual Research Report
「感性を制御する」データベース駆動型感性フィードバック制御システムの構築
Project/Area Number |
18H05907
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 拓矢 広島大学, 工学研究科, 助教 (80825323)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 感性フィードバック制御 / データベース駆動型制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,(i)視覚に基づく「感性メータ」を開発し, (ii)体性感覚に関する感性メータと組み合わせることで,より高精度な感性フィードバック制御系を構築する。そのために,生体情報(脳波,体温,心拍数など)から感性値を算出する「感性メータ」を構築する。そして,「感性出力評価機構」において,所望の感性を満足していなければ,「制御パラメータ調整機構」が機能し,データベースに基づき制御器が調整される。 2018年度では,実際の脳波計(EEG)を用いた感性メータ出力値をリアルタイムにフィードバックし,シミュレーションにおいて,感性フィードバック制御系の有効性を検証した。具体的には,物体を移動するシミュレータにおいて,ユーザの所望の速度を実現するように制御パラメータが適応的に調整される。このとき,データベース駆動型制御法に基づき,制御パラメータが調整されるため,人の感性など非線形と考えられるシステムにおいても有効に感性フィードバックシステムが機能することを確認した。 今後の課題点としては,実際の脳波計と制御周期のサンプリングの違いにより,制御性能が劣化するということが明らかになった。具体的には,脳波計の計算周期が制御周期よりも長いため,脳波計出力値が変化するたびに,制御入力が振動的になってしまう。今後はこの問題点を解決する方法を検討するとともに,シミュレータではなく,実システムに対する実装について考察を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り,脳波計を用いたシミュレータによる感性フィードバック制御を実装することはできたが,fMRIを用いた実験については,実験環境の構築に時間を要しなければならず,2019年度にその実験を変更する必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度では,レバーの操作性などを考慮し,2018年度に構築したシミュレータを基本にし,磁気共鳴画像法(fMRI)と脳波の関係を脳科学的に明らかにし,その後,リアルタイムで計測できるように脳波計(EEG)と脳波の関係を明らかにする。具体的な解析データとしては,①応答性が最適なシミュレータと②応答性が遅いシミュレータの二つを用意し,その両者の脳活動がどの程度異なるのかを解析する。これにより,脳活動に基づいた感性メータを構築する。つづいて,fMRIの解析と並行し,同一のシミュレータを用いて,EEGによる脳波解析を行う。これにより,fMRIとEEGの両者による脳の解析が実現でき,感性メータの信頼性の向上を図る。
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