2019 Fiscal Year Annual Research Report
「感性を制御する」データベース駆動型感性フィードバック制御システムの構築
Project/Area Number |
19K21079
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 拓矢 広島大学, 工学研究科, 助教 (80825323)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 感性 / データベース駆動型制御 / 慣性モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,人の感性の可視化技術については,研究が行われているが,感性を制御する動的な研究は十分に進められていないことが現状である。また,人の感性は,時変系や非線形系であると考えられるため,そのモデル化は困難である。そこで,本研究では,人の感性のモデル化が不要な,データベースを核とした感性フィードバック制御法について研究を行った。なお,本研究の具体的な社会実装の例として,油圧ショベルを想定し研究を進めた。 2018年度では,カスケード制御系に基づき,脳波計に基づく「感性メータ」の出力値をフィードバックすることで,感性値が向上するように,油圧ショベルシミュレータのバケット速度を制御できることを確認した。このとき,実際の脳波計を装着し,21名の被験者に対して実験を行うことで,提案法の有効性を検証した。 2019年度では,油圧ショベルのような操作系に着目し,カスケード制御系から,慣性モーメントに基づく感性フィードバック制御法に拡張し,理論構築を行った。この制御法により,感性という曖昧な信号値を,慣性モーメントという物理的に明確なパラメータに関連させることが可能となる。この有効性については,数値シミュレーションにより検証した。なお,実際の脳波計以外の提案制御系の有効性の検証のために,実機実験に着手しており,操縦者によって,適切な速度が異なることが示唆される結果が得られている。感性メータを用いた実機による提案法の有効性については,引き続き検証を進める予定である。
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