2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of online data assimilation system based on field measurement data of volumetric water content
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18H05920
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 真一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (20825690)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | データ同化 / 土中水分量 / 現地計測データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,リアルタイムに現地計測される土中水分量の計測データを用いたオンラインでのデータ同化システムの開発とその高度化である。具体的な実施内容と成果を以下に列挙する。 (1)現地計測斜面近傍に設置されているサーバー上で,リアルタイムに計測されたデータを用いて浸透解析モデルのデータ同化を行うシステムを構築した。また,推定された浸透解析モデルに対してリアルタイムに計測された降雨を与えることで土中水分量を予測し,それと実測値を比較できるシステムも構築した。 (2)新たなモニタリングサイトで計測されたデータを用いてデータ同化を実施して,水分特性曲線と飽和透水係数の推定を行った。その結果,推定されたパラメータを用いると,現地計測データを高精度に再現できることが明らかになった。また,それらの解析を通じて,土中水分量を大きく上昇させる降雨の特徴についても明らかにした。 (3)土中水分量に基づく危険基準を提案し,降雨量を用いて土中水分量を考慮した避難の意思決定が可能であることを示した。 (4)簡易蒸発法による保水性試験を実施して,短時間で水分特性曲線を推定できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,蒸発散の影響を考慮したモデルを導入したデータ同化プログラムを開発する予定であったが,力学モデル自体の妥当性を再度検証する必要があることが分かり,現在は室内試験データを蓄積している。オンラインデータ同化に関しては,研究実績の概要で示したように,サーバー上で数値解析に必要なパラメータを自動的に更新できるシステムを構築できた。また,新たなモニタリングサイトで計測されたデータを用いてデータ同化事例の拡充も順調に行っている。 初年度に得られたこれらの研究成果は,学会発表により公表されるとともに,査読付き論文として取り纏められ,それらの業績により学会の学術奨励賞を受賞した。以上を考慮して概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
蒸発散に関しては,現在までの進捗状況に示したように,モデル自体の見直しと計測データの蓄積を遂行していく。そのための実験装置は既に保有している。データ同化事例の拡充に関しては,今後も新たなサイトでシミュレーションモデルを変更したデータ同化を実施していく予定である。具体的には,体積含水率の時系列変化だけでなく地下水位の上昇・下降も精度良く再現できるシミュレーションモデルを用いてデータ同化を実施する。それらの方法論の妥当性が確認できれば,オンラインデータ同化システムに適用していく予定である。
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Research Products
(7 results)