2019 Fiscal Year Annual Research Report
土中水分量の計測データに基づくオンラインデータ同化システムの開発とその高度化
Project/Area Number |
19K21089
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 真一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (20825690)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年7月に西日本豪雨災害があり,研究代表者らのグループが現地計測を行なっていたサイトでこれまでに計測されたことのない挙動の土中水分量に関する現地計測データが得られた。具体的には,斜面内が飽和して地下水位が上昇する現地計測データが得られた。そのため,最終年度は,土中の状態が不飽和状態から飽和状態に至り地下水位が上昇し,その後,地下水位が下降していく過程をシミュレートできるモデルへと改良し,現地計測データに基づく浸透解析モデルのデータ同化を試みた。その結果,新たに提案した手法を用いると,現地計測データを良好に再現することができ,不飽和状態の浸透挙動から地下水位の上昇・下降までを再現するための手法として提案手法が有用であることを明らかにした。また,当初の予定通り,土質の異なるその他の斜面でも浸透解析モデルのデータ同化を行い,データ同化事例を拡充した。これらの研究成果は,豪雨時の斜面崩壊発生を未然に予測するために斜面内の土中水分量を適切にシミュレートするという当初の研究目的と合致している。 研究期間全体を通じて,1. サーバー上で適切なパラメータを推定できるオンラインデータ同化システムを構築できたこと,2. 土質の異なる様々な斜面においてデータ同化を行なってその有用性を確認できたこと,3. 不飽和状態だけでなく,地下水位の上昇・下降までを再現できる手法を提案できたことを考慮すると,十分な成果だといえる。
|
Research Products
(8 results)