2018 Fiscal Year Annual Research Report
人口構成と交通動向を考慮した将来都市構造可視化シミュレーションに関する研究
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18H05926
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyota Transportation Research Institute |
Principal Investigator |
坪井 志朗 公益財団法人豊田都市交通研究所, その他部局等, 研究員 (90823881)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 将来都市構造 / 行政計画 / コンパクトシティ / 人口分布 / パーソントリップ |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、行政計画の整理、将来推計人口分布及び将来推計パーソントリップの構築、将来都市構造可視化シミュレーションツールの試験的開発を行い、将来像を検討する上での必要となるデータの整理・構築・開発を行った。研究手法及び主な知見を以下に示す。 1.地方都市であり、コンパクトシティの構築を目標としている自治体である愛知県豊田市を対象として、都市計画マスタープラン、交通まちづくり計画、山村地域の振興計画等の内容を整理し、行政が目標としている地域別将来人口や公共交通利用率、宅地増加量等について把握した。 2.コーホート要因法を用いて市全域、地区別、100mメッシュ別の将来推計人口を算出、および構築した。主な知見として、2040年の目標人口設定値が豊田市全域で420,000人、都市計画区域で404,000人である一方、推計した結果では豊田市全域で408,866人、都市計画区域で393,125人となり、推計値との差分ではそのほとんどが都市計画区域であることを示した。 3.小ゾーン別のパーソントリップデータを基に将来推計拡大係数を算出し、小ゾーン別将来推計パーソントリップを推計した上で、パーソントリップ数を100mメッシュに配分するパラメータを設定し、100mメッシュの将来推計パーソントリップを構築した。その結果として、将来推計パーソントリップは減少傾向にあり、人口の減少率よりも大きくなることを明らかにした。 4.2019年度に向けて、様々な将来都市構造を検討できる将来都市構造可視化シミュレーションツールを試験的に構築し、目標人口や集約範囲を決定するシナリオの検討及び評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は当初計画していた行政計画の整理、詳細な人口分布及びパーソントリップ分布の将来推計を実施した。また、2019年度実施予定の将来都市構造可視化シミュレーションツールの試験的構築も行っており、おおむね予定通りに研究が進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、人口分布及びパーソントリップ分布の精査を行ったうえで、人口集約シナリオの詳細検討を行う。また、行政関係者や専門家・地元住民へのヒアリングを行い、豊田市らしいコンパクトシティを検討する。 具体的には、まず、将来推計人口において、世帯主率法や成長曲線等を参考に、世帯数及び運転免許保有率人口の将来推計を行う。 また、世帯数及び運転免許保有率の将来推計から将来推計パーソントリップの再推計を試みる。 次に、基本となる将来像可視化シナリオを複数構築する。例えば、公共交通強化型として、将来推計パーソントリップを用いて、公共交通を主な交通手段としている地域の人口を増加するルールや、郊外拠点維持型として、郊外においても人口を維持するルール等を検討し、様々な将来都市構造を検討する。 最後に、行政関係者・地元住民・専門家に将来像についてのヒアリングを行い、それぞれが構想する将来都市構造を検討する。また、豊田市は2019年3月に立地適正化計画を策定し、4月から運用を開始するため、立地適正化計画も行政計画の整理に加えることで、より豊田市らしい将来都市構造を検討する。
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Remarks |
2018年度の成果は2019年6月下旬に公開予定
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