2018 Fiscal Year Annual Research Report
日本近世都市空間の維持・存続とインフラストラクチャーに関する研究
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18H05928
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 元貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (90828344)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 都市史 / 江戸 / インフラ / 堀川 / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、以下の研究を行った。 1) 本所・深川の堀川:旧幕府引継書にふくまれる本所・深川の川浚史料を精査、分析を行い、堀川の地域的特質を江戸中心部の堀川との比較からも検討し、人間文化研究機構国文学研究資料館主催の国際シンポジム「近世都市の常態と非常態」にて成果報告を行った。2) 江戸城堀:旧幕府引継書所収の「書上帳」を素材に江戸城堀に関する維持管理体制の構造とその存続形態について明らかにした。その成果は都市史学会・内湾研主催ワークショップ「江戸城-江戸と水路」にて公表した。今後は、以上2つの研究結果とこれまでの江戸中心部の成果をもとに江戸全体の水路構造についての考察をすすめてゆく。3) 単著の刊行:これまでの研究成果を統合し『江戸町人地の空間史-都市の維持と存続』(東京大学出版会、2018)として刊行した。4) 研究方法論の検討:都市空間の維持と存続という本課題の主軸となる視点に関連して、現段階で研究代表者の考える方法論的可能性について、日本建築学会都市史小委員会シンポジウム「都市・建築と物質のあいだ」にてコメントのかたちで公表した。5) 京都調査:洛東遺芳館において柏原家文書の調査を2回実施した。上記以外に、東京都公文書館、江戸東京博物館などにおいて史料調査を実施したほか、本研究テーマに関連する具体的な史料読解作業を並行的にすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究素材の一部変更はあるものの、基本的に当初の予定通り、調査と研究、成果発表を実施できているため、研究は順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成30年度に収集、読解、分析をすすめてきた史料を素材にして、幕府の都市空間管理と空間認識という観点から研究報告または論文のかたちで成果公表を行う。また、町屋敷レベルでの維持管理関係の分析を念頭に、前年度からの継続として各種機関における史料調査と収集を積極的にすすめてゆく。
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[Book] 危機の都市史2019
Author(s)
「都市の危機と再生」研究会
Total Pages
406
Publisher
吉川弘文館
ISBN
978-4-642-03884-3
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