2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H05931
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中村 航 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (50824538)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 土 / 副産物 / 特殊土 / 石灰 / 酸化マグネシウム / 成形体 / 圧縮強度 / 寸法精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境問題の是正の観点から、土素材は環境優位性の高い材料であり、古くから建築に用いられてきた。一方で、国内では特殊な性質を有することから扱いが難しい特殊土が広く分布している。また、各種の産業やインフラ事業において土に類する廃棄物が毎年大量に発生しており、資源としての有効利用が模索され、環境負荷低減への取組みが求められている。 本研究では、これらの未利用資源の有効活用として成形体として用いる方法を提案する。この時、要求された品質を満たすために、環境負荷の少ない固化材による改良を行う。また、土の物性を簡易に測定するだけで、要求品質を満たす調合を導出する仕組みの構築を行うことで、再利用時の要求に的確に応え、より多くの廃棄物削減と再利用の促進をはかる。 平成30年度は、下水処理で発生する汚泥、津波堆積物、石粉(石材の切る際に発生する廃棄物)について文献調査を行った。その結果、下水汚泥は各工程で発生する汚泥の状態(脱水ケーキ・乾燥汚泥・焼却灰)があり、含水状態や試料の形態が複数あり、成形に向けて方法の検討が必要であることが分かった。津波堆積物は、混入物が多様で、その中には有害なものやサイズの大きいものも含まれ、利用には各種の処理を有することが予測される。石粉については、毎年大量に埋め立て処分がなされ、地盤改良材としての有効利用の可能性も明らかになった。 既往の有効利用方法も、セメントを利用した改良がほとんどであり、本研究の環境負荷の少ない利用方法の有効性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体計画のなかでも、基本調査は必要であり、特に産業副産物とされている試料の利用可能性を把握できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年は、前年度に調査した試料に対して、固化材による混合効果を確認するとともに、新たな試料の調査と実験を進めていく。
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