2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of skin tissue constructs with skin appendages
Project/Area Number |
19K21107
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kanagawa Institute of Industrial Sclence and Technology |
Principal Investigator |
景山 達斗 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 戦略的研究シーズ育成プロジェクト, 研究員(任期有) (40822177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 毛包 / 培養皮膚 / 気液界面培養 / in vitroモデル / 毛包原基 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、毛包を備えた培養皮膚の構築を目的としている。前年度において、皮膚附属器の1つである毛包原基を大量調製する技術を開発し、この原基を長期培養することで、生体外で毛包組織を再生する技術を開発した。今年度は、この毛包組織の生体再現性についてより詳細に解析するとともに、この毛包組織を培養皮膚に組み込む手法について検討を行った。生体外で再生した毛包組織について、組織切片を作製し免疫染色を行うと、毛髪の基本構造である毛乳頭、バルジの形成と毛色形成に関わる毛根部でのメラノソームの輸送が確認された。また、形成した毛髪を電子顕微鏡で観察すると、特徴的なキューティクル構造及びヘアコルテックス、メラニン顆粒が確認された。さらに再生した毛包組織を経時的に観察したところ、毛髪が一定期間伸長を続けた後、毛根部が縮小し、毛髪が脱落するといった毛周期に類似した現象も確認している。今後、より詳細な検討は必要であるが、本培養系で生体と非常に類似した毛包組織が形成した可能性が考えられる。続いて、この毛包組織を培養皮膚に組み込む手法について、様々な培養皮膚構築方法を検討した。その結果、セルカルチャーインサート内で皮膚の上皮系細胞と間葉系細胞を混合した培養液を播種し、これらの細胞の自己組織化を利用して培養皮膚を構築する方法が毛包を備えた培養皮膚の構築に適していることが示された。最適化した培養系で約2週間培養を行うと、毛包と皮膚が同時に誘導され、皮膚内に毛包を含む組織体が形成された。組織切片の観察を行うと、形成した培養皮膚は、表皮と真皮の2層構造を形成しており、真皮に毛包を備えている様子が確認された。
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Research Products
(14 results)