2019 Fiscal Year Annual Research Report
CADM1抗体による成人T細胞白血病に対するチオストレプトンの細胞内デリバリー
Project/Area Number |
19K21113
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田部 亜季 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (60786367)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL) / ファージディスプレイ / 抗体-薬物複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒトレトロウイルスであるHTLV-1感染が原因となる成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)において過剰発現が認められる、細胞接着因子CADM1に対する抗体取得と、その抗体を用いた抗腫瘍薬剤の細胞内デリバリー開発を研究目的としている。 昨年度の研究成果でPhage display法により得られた抗CADM1抗体クローンから成したFabとIgGは、細胞への結合を確認できたが親和性改善を課題としていた。そのため、結晶構造を基盤とした親和性改善を目的として、CADM1細胞外ドメインとの共結晶構造解析を試みた。また、同時並行して結晶構造取得後に計算科学的なアプローチからの親和性改善を目指し、蛋白質のモデリングやデザインなど様々なアプリケーションを持つソフトウェアRosettaを用いて、結晶構造データから親和性向上を目的として野生体と変異導入後の相互作用界面の相互作用エネルギー変化を計算し、既にモデルとして実験的に検証したデータとの比較を行い親和性を改善する手法の検討を行った。 また得られたIgG抗体へチオストレプトン(TS)の化学修飾を試みた。IgGにTSが結合していることが示唆されたが、CADM1陽性細胞を用いたWST8 assayではCADM1陰性細胞と比較して有意な増殖抑制効果を得ることができなかった。またTSの高い疎水性のため水への溶解性が低く、かつIgGとTSの反応性も低いことも課題として残されたため、今後は化合物の水溶性改善とリンカーデザインを目的とした化合物合成を計画している。
|
Research Products
(2 results)