2019 Fiscal Year Annual Research Report
イソフラボンの新たな子宮内膜症治療薬としての分子基盤の確立
Project/Area Number |
19K21116
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高岡 宰 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20826036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / イソフラボン |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症は、子宮内膜またはその類似組織が子宮内腔面以外に生着し増殖、発育し、性成熟期女性の約10%に発生する。月経痛と不妊をきたすことにより生活の質を著しく損なう疾患である。労働力や妊孕能の低下による社会的損失が問題となっている。エストロゲンが病巣の進展および維持に関わっているとされている。炎症性サイトカインは子宮内膜症の病巣局所でエストロゲン合成を促進し、その結果正のフィードバックが病巣の進展・維持を助長している。それゆえに子宮内膜症はエストロゲン依存性炎症性疾患として考えられている。子宮内膜症の内分泌療法はGnRHアナログ、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤)などがある。これらの治療薬の開発はすべて子宮内膜症がエストロゲン依存性疾患であることを着眼点としており、エストロゲン伝達・応答機序を制御する内分泌作用が主であった。しかしながら、排卵抑制といったデメリットもあるため、挙児希望のある子宮内膜症の患者にはこれらのホルモン治療薬は使用しにくいのが現状である。したがって生殖年齢の子宮内膜症の患者に対して新しい作用機序による治療薬が早急に望まれる。 イソフラボンはエストロゲンと構造が類似しているのでエストロゲン受容体(ER)と結合しエストロゲン様作用あるいは抗エストロゲン作用を発揮する。イソフラボンはホットフラッシュや骨粗鬆症の症状を軽減する一方でイソフラボンは子宮内膜増殖症や子宮体癌のようなエストロゲン依存性疾患の発症と関連があるとされている。しかしながら、イソフラボンは子宮内膜症に対して治療効果があるのか増悪因子なのかは明らかではなかった。研究代表者らはイソフラボンの一種であるダイゼインが豊富に含まれたイソフラボンアグリコンがERβを介して子宮内膜症間質細胞および子宮内膜症マウスモデルに対して細胞増殖抑制および抗炎症作用を持つことを明らかにしてきた。
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Research Products
(1 results)