2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel pO2 measurement method for diagnosis of peripheral vascular diseases
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18H05964
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
榎本 彩乃 長崎国際大学, 薬学部, 助教 (30826186)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | アレイコイル / オーバーハウザー効果MRI / 酸素分圧計測 / 電子常磁性共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、末梢動脈疾患等により虚血状態にある生体体表面の定量的酸素分圧評価が可能なOMRI法を新規に構築することである。具体的には、マウス片肢を測定対象として想定し、測定対象の全域の酸素分圧分布可視化が可能なOMRI用共振器の開発を行うことに加え、開発した共振器により虚血肢モデルマウスを使用した酸素分圧測定を行い、定量的な酸素分圧評価が可能であることを実証することであった。 このうち、当該年度では実験実施計画に従いマウスを対象としたOMRI用アレイコイル共振器の開発を行った。具体的には、マウス後肢に適した大きさ(2cm*4cm程度)のOMRI用アレイコイルを開発した。それに先立ち、EPR(電子常磁性共鳴)励起を行うためのサーフェイスコイル共振器について、磁場発生効率を向上させ、電磁波照射時間の短縮と測定感度の向上をはかった。従来OMRIで用いられていたサーフェイスコイルは誘導結合により、電力供給部分と試料に接する共振部が結合している共振器であったが、共振部分においてコイルと結合コイル部分間の線路長の改良、電子回路の改良により磁場発生効率を向上させた。さらに、サーフェイスコイル間の磁気的結合による相互誘導の抑制は、共振部分と電力供給コイルとの距離を調整することにより抑制した。試作したアレイコイルを用いて、均一試料を画像化したところ、単一のサーフェイスコイルで取得した画像と同程度の信号対雑音比が得られた。以上より本研究によりOMRI用のアレイコイルが初めて実現できたことは、OMRIによる可視化範囲拡大を可能にしたという点で重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、オーバーハウザー効果MRI(OMRI)に対応したアレイコイルの実現可能性について検討する計画であった。各チャンネル間の信号強度の補正は必要ではあるものの、アレイコイルそのものの実現は可能であることを示すことができた点で計画通りであるといえる。よっておおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
試作したアレイコイルについて、感度補正を行うためのソフトウェアの開発を行い、チャンネルによる信号強度のバラつきを抑制する。また、in vivo計測に適用可能かを検討するため、実際に健常なマウス、スピンプローブ、酸素感受性プローブを用いて計測が可能か検討する。さらに、疾患モデルマウスを用いて当初の目標である虚血肢において広範囲に酸素分圧可能であるかを検討する。なお、in vivo計測において感度不足が認められた場合、必要に応じて高感度化の方策を考案する。
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