2018 Fiscal Year Annual Research Report
特異な分子認識を利用したマルチブロック共重合体の自在構造制御
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18H05980
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平尾 岳大 広島大学, 理学研究科, 助教 (20825343)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 超分子ポリマー / ブロック共重合体 / フラーレン / カリックスアレーン / ポルフィリン |
Outline of Annual Research Achievements |
超分子化学による(ABC)nマルチブロックポリマーの構築 三種類のポリマーブロックが周期的に繰り返し配列した(ABC)nマルチブロックポリマーは,従来の重合方法では合成が非常に困難である。そこで,分子認識をもちいて(ABC)nマルチブロックポリマーを合成しようと考えた。ビスポルフィリンとトリニトロフルオレノン,カリックス[5]アレーンとフラーレン,ハミルトン型ビスピリジンレセプターとバルビツール酸はそれぞれ高選択的に会合体を形成する。したがって,これらの三種類のホス-ゲスト錯体をそれぞれお互いに会合体を形成しない組み合わせで,ポリマーの両末端に導入したマクロモノマーを合成することができれば,単純にそれらを混合するだけで,自発的に選択的会合体形成が起こり,三種類のポリマーブロックが周期的に繰り返し配列した(ABC)nマルチブロックポリマーが生成すると考えられる。2018年9月より,ホスト部位と会合体を形成しないゲスト部位を両末端にもつ三種類のマクロモノマーの合成ルートの開拓をおこなった。 これらのマクロモノマー合成に際して,ホスト部位,ゲスト部位をもつモノマー分子を重合する手法を開発することが重要である。現在,末端にRAFT剤としてトリチオカーボネート基を導入したビスカリックス[5]アレーンの合成ルート開拓に成功している。また,末端にアジド基を導入したPMMAの合成ルートを開拓した。その後,末端にフラーレンを有するエチニルケトンとHuisgen環化付加反応を行うことで,ポリマー末端にフラーレンを導入することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,(ABC)nマルチブロックポリマーについて,合成ルートの開拓を行っている。現在までに,二種類のポリマーにホスト部位とゲスト部位を導入する合成ルートの開拓に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに開拓したマクロモノマーの合成ルートをもちいて,両末端にお互いに会合体を形成しないホスト部位とゲスト部位を導入したマクロモノマーの合成を行う。得られたマクロモノマーを実際に混合し,紫外可視吸収スペクトル,核磁気共鳴スペクトル,蛍光スペクトル,粘度測定,原子間力顕微鏡,走査型電子顕微鏡をもちいて溶液中および固体状態で(ABC)nマルチブロックポリマーの形成を明らかにする。
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