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2019 Fiscal Year Annual Research Report

機能性配位子を有する鉄錯体触媒を用いた環境調和的酸化システムの構築

Research Project

Project/Area Number 19K21137
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

新林 卓也  京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (90824938)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2020-03-31
Keywords鉄錯体 / 酸化反応 / 機能性配位子 / 計算化学
Outline of Annual Research Achievements

遷移金属錯体触媒を利用することで有機合成化学は大きく進展してきたが,優れた触媒活性を示す系は,埋蔵量の限られた,高価な貴金属を中心金属として用いることが多いため,近年では安価な金属への代替が求められている.中でも鉄は,埋蔵量が多く,極めて安価であるため魅力的な元素であり,鉄錯体の触媒活性を配位子によって引き出すことができれば,持続可能性に優れた触媒系の創出につながると期待される.
有機分子の脱水素化反応は,古典的な有機合成化学で用いられてきた有害な酸化剤を使用せず,副生成物として水素のみを生じる環境調和性に優れた分子変換手法として近年注目されている.イリジウム錯体がこの反応系において高い触媒活性を示すことが知られているが,その資源量の少なさからコスト面の問題が避けられないため,安定して利用可能な金属への代替が今後の応用において強く求められると考え,鉄錯体への代替を見据えて検討を進めた.
貴金属錯体触媒の系でも有効である,金属と配位子が協働的に基質分子を活性化することが可能な配位子としてヒドロキシピリジン類との錯体形成を種々検討したところ,目的とする錯体種の生成が示唆される結果が得られた.得られた錯体種をアルコール類と共に加熱条件下反応させ,脱水素的酸化反応における触媒活性を調査した.部分的には目的反応の進行が確認されたものの,触媒活性の高い鉄錯体系を見出すには至っていない.錯体触媒による想定される脱水素酸化反応機構を計算化学的に調査し,既存の貴金属,特にイリジウム錯体触媒との反応性の違いを考察した.

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Published: 2021-01-27  

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