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2018 Fiscal Year Annual Research Report

ペロブスカイト構造をモチーフとした電荷分離空間の創製と応用

Research Project

Project/Area Number 18H05995
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNational Institute for Materials Science

Principal Investigator

梅山 大樹  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (00821480)

Project Period (FY) 2018-08-24 – 2020-03-31
Keywords電荷分離空間 / ペロブスカイト構造
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的である電荷分離空間の創成のため、ReO3型構造をもつフッ素化合物FeF3およびAlF3について空孔サイトの占有を試みた。これらの物質について、Goldschmidtのトレランスファクターを用いた検討を行った結果、Li、Naが空孔サイトを占有可能であることが示唆されたため、それらのフッ化物塩を用いて実験を行った。
AlF3については、LiFをフラックス(溶融塩)として用いた。合成温度は1200度とし、AlF3の酸化を避けるために白金るつぼ中、アルゴンガスフロー条件下で24時間加熱をおこなった。冷却時間はコントロールせず、放冷による自然冷却過程で結晶成長を行った。得られた化合物を粉末X線回折により解析した結果、AlF3とLiFの混合物であることがわかり、目的構造である空孔サイトが占有された構造を得ることはできなかった。
FeF3については、FeF2・FeF3・NaFの混合物を700度、アルゴン雰囲気下で24時間加熱した。得られた化合物を粉末X線回折により解析した結果、空孔サイトが部分的に占有された構造NaxFeF3(x = 0.1)が得られたことが明らかになった。またxについて自由度があり、x = 0.05および0.14の構造についても合成に成功した。この構造は比較的容易に酸化できるFe2+を持っており、何らかの方法でFe3+へ酸化することができれば、その酸化電位を駆動力として空孔サイトに酸化的にイオンを挿入できる可能性がある。これは次のステップに向けた足がかりとなる成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現段階でReO3型構造を持つ化合物群のうち、空孔サイトの占有に成功したのはFeF3を用いた構造のみである。構造のバリエーションという点では不足しているが、得られた構造NaxFeF3は変数xに自由度があり、酸化電位を駆動力としたイオン挿入も期待できることから、研究はおおむね順調に進んでいると判断する。

Strategy for Future Research Activity

AlF3について用いていたフラックス結晶成長法は本研究の目的には適していないことが示唆されている。したがって今後の研究では酸化還元特性を持つFeF3をベースにして研究を展開する。
Na0.1FeF3についてはフッ素ガス曝露試験を予定している。NaFeF3と同様ペロブスカイト構造をとる(CH3NH3)PbI3は、Br2およびCl2の曝露によって酸化的にハライドが交換されることが報告されている。フッ素ガス曝露によって同様に酸化的にハライド交換が起こる過程を期待し、その過程で空孔サイトをイオンで占有することを目的とする。

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Published: 2019-12-27  

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