2019 Fiscal Year Annual Research Report
フィブロインH鎖遺伝子の多型解析を用いた新特性シルクの創出
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19K21153
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
伊賀 正年 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (70721497)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フィブロイン H鎖 / 絹糸性状 / シルク / カイコ |
Outline of Annual Research Achievements |
カイコには絹糸の太さや力学物性に特徴を有する品種が存在するが、これら絹糸性状の差異と品種間の遺伝情報との関連性は分かっていない。そこで、本研究ではナノポアシーケンサーを用いて特徴的な性状を有する蚕品種のフィブロインH鎖遺伝子の塩基配列を解読し、絹糸性状との関連の解明を目指す。本年度は昨年度取得した繊度や力学物性に特徴を有する蚕品種の絹糸に関する力学物性等の基礎データとの比較に向け、ゲノムプロジェクトに用いられたp50系統と強度に特徴を有する高強度系統のフィブロインH鎖ORF領域のゲノムDNA配列ならびにフィブロインH鎖mRNA配列の解読を行った。 mRNAのリファレンスとなるフィブロインH鎖ORF領域のゲノムDNA配列が品種間で異なる可能性を検討するため、mRNA配列の解読に先立ちp50系統と高強度系統のフィブロインH鎖ORF領域のゲノムDNA配列の解読をナノポアシーケンサーを用いて実施した。得られたフィブロインH鎖ORF領域のドラフト配列より、p50系統と高強度系統との間で配列が異なることが示唆された。また、ダイレクトRNAシーケンシングによるフィブロインH鎖mRNA配列の解読については、昨年度の検討では約16kbある全長配列のうち解読できたのは4kb程度であったが、ライブラリーの調製法をフィブロインH鎖に最適化することにより、p50系統と高強度系統のフィブロインH鎖のドラフトmRNA全長配列が得られ、品種間で配列が異なることがわかった。
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