2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H06019
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
瀧澤 文雄 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60822913)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | ニジマス / 形質細胞 / B細胞 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
水産増養殖の現場では魚病対策としてワクチンの開発と使用が進められている。水産用ワクチンは、高い防御効果を与えられていることから、獲得免疫が誘導されていることが考えられているが、まだ一部の疾病に対して実用化されているのみである。そこで、本研究では、ニジマスの形質細胞を同定・分離し、魚類形質細胞の特性を調べる。さらに、B細胞の形質細胞への分化および抗原特異的な抗体の産生機構を解明することにより、効果的なワクチンを開発をすることが可能である。 2018年度は、ニジマスの形質細胞の同定するために、腎臓細胞に対して抗ニジマスIgM抗体および抗ニジマスIgD抗体の二重染色を行い、フローサイトメトリーを用いてIgMおよびIgDを発現している細胞を測定した。その結果、IgMとIgDを両方発現している細胞とIgMのみを発現している細胞の2種類の細胞を同定することに成功した。特にニジマスIgM+/IgD- B 細胞は、腎臓に多く存在していた。また、IgMのみを発現している細胞は通常のリンパ球より大型であることから形質細胞であることが考えられた。 また、これら2種類の細胞の遺伝子発現解析を行うために、ニジマスからB細胞の分化マーカー遺伝子の同定およびcDNAクローニングを行った。ニジマスのPAX5, Blimp1, Blimp1-likeおよびCD138などのB細胞の分化マーカーを単離に成功し、各遺伝子はそれぞれに特徴的なドメインが保存されており、哺乳類のホモログと同様な機能を持つことが推測された。 今後、同定した2種類のB細胞サブセットについて、B細胞の分化マーカーの発現を確認することにより、より詳細な特性を調べることが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
魚類において形質細胞を認識・分取する手段がないために、液性免疫の誘導機構の解析の障害となっている。そこで本研究では、ニジマスの形質細胞を同定し、その特性を調べることを目的としている。2018年度は、ニジマスのIgMおよびIgDを二重染色する方法を確立し、腎臓細胞においてIgM+/IgD+およびIgM+/IgD-細胞の同定に成功した。この細胞が通常のリンパ球より大型であることから形質細胞であることが示唆され、形質細胞を認識する方法の基盤が確立できた。 また、ニジマスから成熟B細胞までのマーカーであるPAX5および形質細胞マーカーであるBlimp1, Blimp1-likeおよびCD138の遺伝子クローニングに成功し、これら遺伝子を用いることにより、形質細胞への分化が遺伝子発現により確認できるようになった。 以上より、形質細胞の同定および遺伝子発現解析の基盤を確立し、本研究はおおむね順調に進展にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
2種類のB細胞の同定方法を確立したため、これらB細胞の特性を調べていく予定である。特に、IgM+/IgD- B 細胞が形質細胞であることを同定し、魚類形質細胞の特性を解明するために、 セルソーターを用いてIgM+/IgD- B 細胞を腎臓から分取し、細胞形態、遺伝子発現解析、IgM抗体の発現および産生能について比較検討していく。また、ヒトやマウスの形質細胞のマーカーとして利用されているCD138, Blimp1およびBlimp1-like遺伝子の発現様式と機能について詳しく解析し、B細胞から形質細胞への分化への関わりを検討していく。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Interactions between microbiota and the teleost immune system in health and disease,2018
Author(s)
Irene Salinas, Elisa Casadei, Fumio Takizawa, Yasuhiro Shibasaki, Oriol J Sunyer.
Organizer
Immunology 2018, Austin, TX, USA, May 4-8, 2018
Int'l Joint Research
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[Presentation] AN ESSENTIAL ROLE OF IGT IN PATHOGEN CONTROL AND COMMENSAL HOMEOSTASIS IN GUT AND GILL MUCOSAL SURFACES.2018
Author(s)
Fumio Takizawa, Zhen Xu, Yasuhiro SHibasaki, Elisa Casadei, Thomas Sauters, Scott LaPatra, Irene Salinas, J. Oriol Sunyer.
Organizer
14th Congress of the ISDCI, Santa Fe, NM, USA, June 17-21, 2018.
Int'l Joint Research
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[Presentation] AN EVOLUTIONARILY CONSERVED INNATE IMMUNE ROLE IDENTIFIED IN VERTEBRATE PLASMA CELLS.2018
Author(s)
Yang Ding, Yasuhiro Shibasaki, Jacob Paiano, Fumio Takizawa, Joel Wilmore, Daniella Gomez, David Allman, J. Oriol Sunyer.
Organizer
14th Congress of the ISDCI, Santa Fe, NM, USA, June 17-21, 2018.
Int'l Joint Research
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[Presentation] PERFORIN-EXPRESSING IGT+ B CELL WITH CYTOTOXIC ACTIVITY, A NOVEL PLAYER IN THE INNATE IMMUNE RESPONSE OF TELEOST FISH.2018
Author(s)
Yasuhiro Shibasaki, Fumio Takizawa, Michael Gonzalez, Pierre Boudinot, J. Oriol Sunyer.
Organizer
14th Congress of the ISDCI, Santa Fe, NM, USA, June 17-21, 2018.
Int'l Joint Research
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[Presentation] THE SWIMBLADDER PLAYS A PREVIOUSLY UNRECOGNIZED NEW FUNCTION IN MUCOSAL IMMUNITY.2018
Author(s)
Yongyao Yu, Weiguang Kong, Xiaoting Zhang, Fen Dong, Zhenyu Huang, Shuai Dong, Yaxing Yin, Fumio Takizawa, J. Oriol Sunyer, Zhen Xu.
Organizer
14th Congress of the ISDCI, Santa Fe, NM, USA, June 17-21, 2018.
Int'l Joint Research
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