2020 Fiscal Year Research-status Report
なぜ低水分時に土壌水中の溶質拡散は著しく抑制されるのか
Project/Area Number |
19K21163
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮坂 加理 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00780173)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 溶質拡散係数 / 低水分 / 電気伝導度 / 凍土 / 土壌中の溶質拡散 / 乾燥土壌 / 凍結土壌 / 不凍水 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度では、実験に必要な機器や土壌試料の準備を行い、2020年度にて実験を進める予定であった。しかし、2020年3月から5月まではコロナ禍のために緊急事態宣言が発令され、大学構内で行う予定であった拡散実験が行えず、また6月からは申請者が産休を取得したため、それ以降、研究活動を行うことができなかった。 2021年度において、2020年度に行う予定であった以下の実験を行う予定である。 1.土壌試料の収集および土壌の物理特性の測定を行う。2.NaCl水溶液水分量を異なる濃度で3種類用意し、各試料を小分けし、それぞれに10通りの水分量に相当するように溶液を投入しよくかき混ぜ均一にし、均一の密度で容器に詰める。3.25°Cのチャンバー内に設置し、各土壌電気伝導度の測定を行う。土壌試料3種類、溶液濃度3種類、そして水分量は各10種類の計90試料を扱う。4.土壌の電気伝導度の結果から溶質拡散係数を算出する。5.別途、同様の溶液濃度で飽和に調整した各土壌試料を、NMRを用いて-30度から20度の範囲で測定を行い、温度と不凍水分量の関係を求める。6.(5)と同様の飽和土壌試料を用いて、チャンバー内の温度を-30度から20度の範囲で土所の電気伝導度の測定を行う。7.(5)で出た温度と不凍水分量の関係と(6)で出た温度と溶質拡散係数の関係から、不凍水分量と溶質拡散係数の関係を算出する。8.(4)で求めた水分量と溶質拡散係数との関係と、(7)で求めた不凍水分量と溶質拡散係数との関係を比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍における研究活動の停止、および産休・育休取得のため、当初行う予定であった溶質拡散係数の実験等が行えなかった。2021年度では2020年度に行う予定であった実験を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
5月までに電気伝導度測定による溶質拡散係数の推定実験を開始し、それと並行し、凍土における不凍水の測定を進める予定である。 今後の研究の流れとしては、1.土壌試料の収集および土壌の物理特性の測定を行う。2.NaCl水溶液水分量をを異なる濃度で3種類用意し、各試料を小分けし、それぞれに10通りの水分量に相当するように溶液を投入しよくかき混ぜ均一にし、均一の密度で容器に詰める。3.25°Cのチャンバー内に設置し、各土壌電気伝導度の測定を行う。土壌試料3種類、溶液濃度3種類、そして水分量は各10種類の計90試料を扱う。4.土壌の電気伝導度の結果から溶質拡散係数を算出する。5.別途、同様の溶液濃度で飽和に調整した各土壌試料を、NMRを用いて-30度から20度の範囲で測定を行い、温度と不凍水分量の関係を求める。6.(5)と同様の飽和土壌試料を用いて、チャンバー内の温度を-30度から20度の範囲で土所の電気伝導度の測定を行う。7.(5)で出た温度と不凍水分量の関係と(6)で出た温度と溶質拡散係数の関係から、不凍水分量と溶質拡散係数の関係を算出する。8.(4)で求めた水分量と溶質拡散係数との関係と、(7)で求めた不凍水分量と溶質拡散係数との関係を比較する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍および産休・育休の取得により、2020年度に室内実験が行えなかったため、実験が行えず、当初実験補助に支払う予定の研究費が使われなかった。 2021年度では、2020年度に予定していた実験を行う予定であり、その際に2020年度に予定していた分析依頼や実験補助等で研究費を使用する予定である。
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