2019 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴDNAナノカプセルを用いた敗血症に対する機能性食品の創製研究
Project/Area Number |
19K21168
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 祥也 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (90825845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オリゴDNA / 敗血症 / DNanocap / 機能性食品 / 血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ / 自由摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性核酸として知られるオリゴDNA(ODN)の内、Class Aに属する免疫増強型ODN(CpG ODN1585, CpG-A1585)のマウスへの腹腔内投与(i.p.)は、血小板活性化因子(PAF)アセチルヒドロラーゼ(PAF-AH)を強力に誘導することで敗血症症状の重症化を防ぐことが知られている。しかしながら、CpG ODNがヒト免疫細胞におけるPAF-AH誘導能および経口投与による敗血症予防効果を有するかどうかはわかっていない。本研究では、ODNを用いた敗血症に対する機能性食品の創製を目指し、マウスおよびヒト免疫細胞におけるClass A CpG ODNによるPAF-AHの誘導能とCpG-A1585の自由摂取に伴う敗血症の予防効果について検証した。 まず、マウス脾臓細胞あるいはヒトマクロファージ(THP-1)細胞と種々のClass A CpG ODN(CpG-A1585、CpG-A2216、CpG-A2336、D35)との共培養試験を実施したところ、脾臓細胞ではCpG-A1585とCpG-A2336で、THP-1細胞では全てのClass A CpG ODNでPAF-AH関連遺伝子のPaf-ah2発現量の増加が認められた。また、THP-1細胞ではCpG-A2216により強力なPAF-AH活性の誘導が認められた。 次に、CpG-A1585の経口用カプセル体(CpG-A1585cap)を含む特別飼料を調製し、マウスへの自由摂取試験を実施した結果、血清PAF-AH活性の有意な増加が認められた。加えて、リポ多糖のi.p.によりエンドトキシンショックを誘導したところ、生存率や体温低下は改善しなかったが、血清の炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)産生の抑制傾向が見られた。一方で、PAFのi.p.により播種性血管内凝固症候群を誘導したところ、生存率の改善は認められなかった。
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Research Products
(2 results)