2018 Fiscal Year Annual Research Report
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18H06050
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 伸 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (50821980)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 塩基置換 |
Outline of Annual Research Achievements |
「Target-AID法」はDNA二本鎖切断を介さずに塩基置換を誘導することができるため、コンベンショナルなCRISPR/Cas9 systemで生じるNHEJの修復エラーを利用した系と比較し、終止コドンの生成など、より思惑通りのゲノム編集が可能である。また、一塩基多型 (SNP) 等のゲノム修復を実行する際に、コンベンショナルなCRISPR/Cas9 systemではknock-in法を利用しなければならないが、この手法は、①ドナーDNAを目的の位置に挿入できる確率が低い、②NHEJ による予期せぬゲノム改変が生じるといった問題が存在する。これに対し、「Target-AID」法は上述のようにDNA 二本鎖切断を介さないため、少なくともNHEJ による予期せぬゲノム改変が生じる可能性をほぼ除外できる。このように「Target-AID法」はコンベンショナルなCRISPR/Cas9 systemと比較したときに明確な利点を併せ持つ一方、ゲノム編集効率およびゲノム編集部位の制限(PAM配列からの距離)および塩基置換が誘導される範囲(複数塩基が同時に編集される可能性がある)といった問題も存在する。その為、ゲノム編集効率の改善を主とした「Target-AID法」の最適化を行う必要がある。 そこで昨年度は、①「Target-AID法」の主要コンポーネントの配置、②gRNA 標的指定配列の長さに関しての評価を行った。どちらの検討項目においても、現行の「Target-AID法」をより効果的に使用できる可能性を示唆することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに実験を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はgRNAの構造が「Target-AID法」のゲノム編集効率およびゲノム編集位置に及ぼす影響について検討するとともに、当初の計画に追加でTarget-AIDの構成タンパク質を繋ぐ最適なLinkerの探索も行う。また、各研究結果を吟味し、組み合わせを行うことにより、最適な「Target-AID法」の構築に取り組む。
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