2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21180
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉岡 伸 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (50821980)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / Base editing |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的なCRISPR/Cas9 systemはDNA二本鎖切断を基本としている。二本鎖切断を生じたDNAは主に非相同末端修復(NHEJ)機構あるいは相同末端修復(HDR)機構により修復を受ける。NHEJは切断部位の近傍に塩基の欠失や挿入(Indel)を生じることでフレームシフトを誘導し、遺伝子破壊が期待できる。しかし、変異の挿入パターンは不規則で予測できない問題点がある。一方、HDRでは相同な配列を有するドナーDNAを利用することで正確なゲノム編集を行うことが可能であるが、編集効率が低いまたはNHEJによるindelの併発が問題となる。 Target-AIDを含むbase editing技術はDNA二本鎖切断を介さず直接ゲノムの書き換えを行うことができるため、一般的なCRISPR/Cas9 systemと比べてより安全で思惑通りのゲノム編集が可能である。一方で塩基置換が誘導される範囲(editing window)があり、editing windowの位置やediting window中の複数の標的が編集されるといった改善点が存在する。 昨年度までの研究により、Target-AIDの構成因子であるデアミナーゼをCas9のN末側につけることでより効率よく塩基編集を行うことができること、またsgRNAの長さを基本の長さの20bpから長くあるいは短くすることでediting windowのピークの位置が変わることを明らかにした。これによりTarget-AID技術の基礎的知見の集積を行うことができた。一方、更なる改良を目指しCas9とCDA1を結ぶリンカーの最適化を試みてきたが、現行のリンカーと比較してゲノム編集効率の点では改善は認められなかった。
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Research Products
(1 results)