2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of ER exit site organization by phosphorylation
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18H06063
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
前田 深春 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40823422)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | ER exit site / TANGO1 / Sec16 / リン酸化修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
ER exit siteは1細胞あたり数百個存在する小胞体上の分泌小胞形成ドメインである。ER exit siteは細胞周期、栄養状態によって数・大きさ・局在が変化し、この制御の破綻はがんをはじめとした疾患に関与することが報告されている。しかし、ER exit site自体の形成メカニズムについては、特に高等真核生物において知見が乏しい。 研究代表者は先に、ER exit siteでコラーゲンの分泌を補助する複合体群 (TANGO1L/cTAGE5/Sec12, TANGO1S/cTAGE5/Sec12) を同定した。さらに、TANGO1がSec16と結合し、二者が協調的にER exit site形成のオーガナイザーとして機能することを明らかにしてきた。 本年度、研究代表者はTANGO1のプロリンリッチドメイン付近にリン酸化模倣変異(グルタミン酸置換)、および非リン酸化模倣変異(アラニン置換)を導入した変異体を作出した。またこれを用いて、TANGO1のリン酸化修飾がSec16との結合親和性を低下させることを明らかにした。さらに、TANGO1のリン酸化模倣変異体はER exit siteのオーガナイザーとしての機能も有さないことが明らかになった。 以上の結果より、TANGO1のリン酸化修飾によってER exit siteの形成と消失が制御されている可能性が新たに示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究実績に記載した内容について順調に進捗を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者はTANGO1のリン酸化酵素の候補としてカゼインキナーゼ1(CK1)をすでに見出している。そこで、TANGO1およびCK1のリコンビナントタンパク質を調製し、試験管内でCK1によってTANGO1が直接リン酸化されるかを検討する。CK1以外のキナーゼに関しては、各キナーゼファミリーの阻害剤を培養細胞に添加することで、ER exit siteの形態や分泌に影響するものを探索する。 さらに、本研究において研究代表者は、リン酸化タンパク質の検出プローブを利用し、リン酸化TANGO1量を定量する評価系を立ち上げる。その上で、栄養飢餓・小胞体ストレス刺激などのストレス環境下におけるリン酸化TANGO1の有無を検討し、TANGO1のリン酸化修飾が細胞内のどのような局面で生じるかを明らかにする。
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