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2019 Fiscal Year Annual Research Report

概日時計の周期補償を担う新規温度シグナリング

Research Project

Project/Area Number 19K21190
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

金 尚宏  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (80822931)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2020-03-31
Keywords概日時計 / 温度補償性
Outline of Annual Research Achievements

概日時計分野に残された重要課題として、外界の温度が変化しても時計の周期は一定という温度補償性の分子メカニズムの解明がある。申請者は本メカニズムの解明のため、哺乳類の培養細胞を用いて細胞時計の温度補償性に影響する低分子化合物をスクリーニングした。その結果、TC-1、TC-2という化合物が温度補償性を大きく阻害することを見出した。これら化合物は異なる標的タンパク質を阻害するものの、同じシグナル伝達 (TCシグナル)上で機能する。さらに、これらの化合物を高濃度で投与すると、概日リズムの振幅が大きく減衰することが分かった。すなわち、TCシグナルは温度補償だけでなく、時計の自律振動にも重要であることが分かった。TCシグナルをイメージングによって解析した結果、TCシグナルの強度は概日リズムを示すことが分かった。さらに、低温暴露によってTCシグナル強度は上昇することが分かり、それによって細胞時計の振動周期を加速することが分かった。TC化合物の標的因子は7つの遺伝子によって制御されているが、これらのうち5系統の遺伝子改変マウスを入手し、維持、繁殖を行なった。輪回し行動リズムを指標に個体レベルでの概日時計機能の解析を行なったところ、これら変異マウスにおいては行動リズムの周期異常やリズムパターンに大きな変化が観察された。そして、最もシビアな表現型としては、行動リズムの消失が観察された。本結果から、TCシグナルは細胞から個体レベルにおいて、哺乳類の概日時計の振動メカニズムに大きな役割を果たしていることが分かった。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 創造性を探して ― 学術と創薬、ビジネスの交点 ―2020

    • Author(s)
      金 尚宏
    • Journal Title

      時間生物学

      Volume: 26 Pages: 未定

  • [Journal Article] 生物時計と体のリズム2019

    • Author(s)
      金 尚宏、深田 吉孝
    • Journal Title

      学術の動向

      Volume: 24 Pages: 8-19

  • [Presentation] 哺乳類の分子時計の環境応答2019

    • Author(s)
      金 尚宏
    • Organizer
      第26回日本時間生物学会
  • [Presentation] 概日分子ハンティングと振動原理の追求2019

    • Author(s)
      金 尚宏
    • Organizer
      第26回日本時間生物学会
  • [Presentation] 「環境サイクルと内在リズム -California mouse Free runner変異体の解析-2019

    • Author(s)
      金 尚宏、王 幸慈、De Groot Marleen, Rusak Benjamin, Takahashi Joseph, 深田 吉孝
    • Organizer
      第42回分子生物学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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