2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K21194
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 智子 日本女子大学, 理学部, 助教 (30623772)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 鉄酸化細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Leptothrix ochraceaがどのようにして人工的には合成できないマイクロチューブ形状の鉄酸化鉱物を生成するのかを可視化し、生成機構の一端を明らかにすることにある。加えて、これまで単離培養や培養が不可能とされている当該鉄酸化細菌の培養方法を確立し、培地の制御によりこれまでにない管状酸化鉱物を創造することで、新しい機能性材料の創出方法の確立を目指している。 人工合成培地では増殖できないとされている当該細菌を、自然環境に近い状態での地下水をベースとした半合成培地での培養実験を進めるために、L. ochracea生菌が豊富に含まれる菌体採取場所の確保が必須である。これまでの予備研究によりL. ochraceaは非常に増殖サイクルが早く短命であることが示唆されていることから、研究実施場所(東京都文京区)近隣におけるL. ochracea菌体の採取地を確保することが望ましいと考え、昨年度に引き続き、都内の湧水箇所や池、側溝等を探索し、黄褐色の沈殿物の発生個所から沈殿物を採取し、顕微鏡観察により管状酸化鉱物の生成や菌体の有無の確認を並行して進めた。その結果、生菌が生息する箇所は発見されたものの、場所の管理者からの許可が得られず継続的に採取可能な場所は未だ確保できていない。今年度は、昨年1月から1年間の研究中断により探索できた箇所は僅かで、採取場所の確保には繋がらなかったが、いくつか未探索の候補地の情報から、2020年度は確実に採取場所を確保し、研究遂行につなげられると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年1月から出産のため産前産後休暇に続き育児休暇を取得した。同年9月から復職したが、子が0歳のため時短勤務とし、当該研究を再開させたのは2020年1月からである。そのため、2019年度は研究が進行せず、当初の計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、早急に採取場所を確保したいと考えるが、コロナウイルス感染状況により未だ研究のみならず来校制限も続く中、もし、検体採取場所の確保ができなかった場合は、予備試験で行っていた地下水培養物の固定、樹脂包埋済みの電子顕微鏡試料から取得可能な生成過程のデータを得ることも念頭に置いて研究を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度は、諸事情による研究中断により開始を2020年1月からとしたため、研究遂行に費やした期間が非常に短く、そのため経費が掛からなかった。次年度使用額は、研究消耗品費へ充当し、物品費として使用したい。
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