2018 Fiscal Year Annual Research Report
新規マウス行動課題に基づく個体識別の神経メカニズムの解明
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18H06092
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤原 昌也 早稲田大学, 重点領域研究機構, 次席研究員(研究院講師) (60823705)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | IntelliCage / 個体識別 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは他者を識別するとき、視覚を中心とした感覚情報による識別とともに、他者との関係性(自身にとっての相手の役割)をもとにした識別を行い、他者に対する感情を引き起こす。最近、ある決まった他個体のことを思い出しているときにだけ反応する、決まった神経細胞集団がマウス腹側海馬に存在することが明らかとなった。そこで本研究では、相手個体の役割が変化する行動課題を開発する。相手個体の役割を操作し、ヒトが無意識で行っているような相手の役割を瞬時に判断し、関係性を踏まえての個体識別をマウスが実現しているのかどうかを明らかにすることで、社会性記憶や他者認識の脳内メカニズム解明に貢献することを目的とした。 マウスの個体識別の解析には常にそれぞれの個体がどこにいるかという情報が必要である。我々は集団生活するマウスの個体識別と位置情報の取得を自動で行う解析ソフトウェアMultiple Animal Positioning System (MAPS)の開発を行なった(Communications Biology, 2018)。MAPSを用いて個体識別に関する解析を行った。さらに、集団型全自動行動解析システムを用い、被験者マウスに相手個体の識別をさせる行動課題を新たに作成することに成功した。課題中のマウス行動を詳細に解析することで、マウスの個体識別能力を評価するための評価指標作成に着手した。個体識別に重要な役割を果たす脳領域を調べるための検討を行った。この課題は、マウスの社会性記憶の形成や社会的役割に応じた意思決定の神経メカニズムを解明していく上で強力なツールとなると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は集団型全自動行動解析システムを用いて相手の役割が変化する新規行動課題の作成を行い、個体の役割が変化する行動課題も作成した。これら成果については学会発表(第29回神経行動内分泌研究会)を行った。また個体識別に関係する脳領域の予備検討を行い、平成31年度には解析を行えるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の行動課題はマウスの個体識別能力を定量評価できる新たな評価技術であり、社会性脳機能を解明するだけではなく、創薬に資する定量評価技術を提示できると期待できる。そこで同課題において社会性に影響を与える化合物の投与効果の検討に着手する。また我々は昨年度までに、集団生活するマウスの個体識別と位置情報の取得を自動で行う解析ソフトウェアMultiple Animal Positioning System (MAPS)の開発を行なった(Communications Biology, 2018)。MAPSを用いて個体識別に関する解析をする。更に個体識別に重要な役割を果たす脳領域の検討を行う。以上より個体識別をマウスが実現しているのかどうかを明らかにすることで他者認識の脳内メカニズム解明に貢献する。
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Research Products
(1 results)