2019 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いたアデノシン2A受容体遮断薬によるドパミンD2受容体への影響の解明
Project/Area Number |
19K21217
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
沖田 恭治 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 第一精神診療部, 医師 (50456547)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ドパミンD2受容体 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は健常者を対象とした、短期間の薬物的介入を含むプラセボ対照二重盲検試験である。陽電子断層撮像法(PET)を用い て、アデノシン2A受容体(A2AR)の選択的アンタゴニストであるイストラデフィリンが、ヒト生体脳において、線条体ドパミンD2受容体(D2R)結合能を増加させ るかどうか評価することを主目的とする。機序には詳細不明な部分もあるが、D2Rの細胞膜から細胞内への内在化にA2ARが関与しているとされ、ラットの培養細胞を用いた実験では、選択的A2ARアンタゴニス トによってD2Rがアップレギュレートされる可能性が示唆されているが、ヒト生体脳でその相互的機能調節についての検討はほぼなされていない。 本研究は未承認薬による介入を含むため特定臨床研究に該当し、臨床研究法に関連する問題への対応や、本研究で使用するPETトレーサーの合成手法の確立や他の心理データ収集の方法の決定に多くの時間を費やす必要が生じたが、2019年5月からデータ収集を開始している。
これまでに21名(うち2名は前観察期に脱落、他の1名は中止(来院せず)。)の被験者が登録され、19名が研究プロセスを完遂した。約半数は実薬を内服しているはずだが、これまで有害事象は発生していない。目標被験者数は40名と設定しており期間内に到達できなかった。二重盲検デザインでありまだオープンしていないため、データの検討はできていないものの、一部被験者で研究仮説に合致するPET画像の所見が得られている。今後、目標数達成に向けて研究を継続する。
|