2018 Fiscal Year Annual Research Report
過剰量 VEGF による血管内皮細胞遊走抑制の分子基盤
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18H06113
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森田 茜 北里大学, 薬学部, 助教 (00828072)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 血管生物学 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
未熟児網膜症や糖尿病網膜症では、虚血網膜から逸脱して伸長した新生血管が視野欠損や失明の原因となる。本研究では、申請者がこれまでに新生仔マウス網膜を用いた研究において見出した VEGF による血管内皮細胞の遊走抑制という現象の分子基盤とその普遍性を明らかにすることを目的とした。 本年度は、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞を用いて wound healing assay を行うことにより、血管内皮細胞の遊走は、VEGF の濃度に依存的して促進するものの、高濃度になると抑制に転じることを見出した。また MTT assay を行うことにより、遊走を抑制する高濃度 VEGF においても血管内皮細胞の細胞活性は低下しないことも明らかにした。これらの実験結果は、血管内皮細胞の遊走を促進させるための至適な VEGF 濃度範囲が存在し、それを超えると血管内皮細胞の遊走が抑制されるという現象がマウスの網膜血管以外の内皮細胞においても認められる普遍的なものであることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過剰量の VEGF が血管内皮細胞の細胞活性を低下させることなく遊走を抑制するという現象を細胞レベルにおいても明らかにできたことから、おおむね順調に進展していると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
過剰量の VEGF による血管内皮細胞遊走抑制の分子基盤を明らかにする。
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