2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of prodrug-type siRNA reduced inflammatory adverse effect
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18H06116
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
越智 洋輔 大阪薬科大学, 薬学部, 研究員 (30826102)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | siRNA / オリゴ核酸合成後修飾 / プロドラッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体内での十分な活性と核酸投与による炎症性副作用 (サイトカイン産生) の回避の両立を目的とした2'-O-メチルジチオメチル修飾siRNA(MDTM-siRNA)を開発することであり、平成30年度はオリゴ核酸合成後修飾法によるMDTM-siRNAの合成に取り組んだ。これまでに、ウリジンにおいてのみ2'-O-MDTM基へ変換可能な2'-O-トリメトキシベンジルチオメチル基(TMBTM 基)を有するオリゴ核酸合成前駆体(ホスホロアミダイト体)の合成、そのオリゴ核酸の合成およびMDTM修飾核酸への変換を既に達成している。標的配列の拡張にはアデノシン、グアノシン、シチジンへの修飾も必要となるが、これら3種のTMBTM修飾ホスホロアミダイト体の合成収率は満足の得られるものではなかった。まず、アデノシン、グアノシン、シチジンの修飾ホスホロアミダイト体の合成収率の改善に着手した。 アデノシン、グアノシンおよびシチジンの修飾ホスホロアミダイト体の合成において、中間体であるTMBTM修飾ヌクレオシド誘導体の合成収率の改善が求められた。ウリジン誘導体の合成方法を参考に合成を試みたが、TMBTM基の導入反応の段階で大幅に収率が低下した。そこで、TMBTM基の導入における反応条件の種々検討を行った結果、グアノシンを除いて収率を改善することに成功した。得られたTMBTM修飾ヌクレオシド誘導体から3工程で目的の修飾ホスホロアミダイト体を合成した。グアノシン誘導体の合成収率の改善が必要と考えられるが、前倒しで合成した修飾ホスホロアミダイト体をApoB mRNAを標的としたRNA配列に組み込んだ後、MDTM修飾核酸への変換反応を行った。TMBTM-ウリジンを組み込んだオリゴ核酸と同様にアデノシン、グアノシンまたはシチジンを修飾したオリゴ核酸においてもMDTM修飾核酸への変換を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に基づき、本年度は標的遺伝子配列拡張を目指した2'-O-メチルジチオメチル(MDTM)-核酸の合成に必要な3塩基種 (アデノシン、グアノシン、シチジン) の2'-O-トリメトキシベンジルチオメチル(TMBTM)修飾ホスホロアミダイト体の合成収率の改善を実施した。本課題については種々の反応条件を検討し、アデノシンおよびシチジンにおいて合成収率を改善した。一方で、グアノシン誘導体の収率を改善する余地がある。 またオリゴヌクレオチド合成前駆体であTMBTM修飾ホスホロアミダイト体を使用し、アデノシン、グアノシン、シチジンまたはウリジンのいずれかを組み込んだTMBTM修飾RNAを合成した。得られた4種のTMBTM修飾RNAをそれぞれの対応するMDTM-RNAへ変換することに成功した。 以上、本年度は当初の実施計画をおおむね満足する成果が得られ、次年度の研究計画を実施できるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定どおり、病態モデル動物を使用したin vivo実験にさきがげけて、MDTM修飾siRNAと既存の修飾siRNA(2'-O-メチル修飾)の培養細胞におけるノックダウン活性の比較を行い、それらの血清中における化学的性質等に関する評価を行う予定である。 これらの検討により得られた知見から、in vivo実験に使用するMDTM修飾siRNAを選定し、in vivoでのノックダウン活性および炎症性副作用について評価していく。
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