2018 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンによる肺機能の制御機構解明と新規治療法の開発
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18H06117
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
前原 都有子 大阪薬科大学, 薬学部, 助教 (60825529)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | プロスタグランジン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺の拡張は両親媒性の肺サーファクタントにより調節される。敗血症や喘息による肺組織での炎症は、サーファクタントの産生を低下させ、肺機能不全を引き起こし重篤な場合は死に至るが、サーファクタントの産生を促進させる有効な治療法はない。本研究では、肺サーファクタントの調節に関わるプロスタグランジン(PG)類を同定することを目的とした。 マウスの気管内に塩酸を投与することで、肺炎モデルを作製した。正常マウスおよび肺炎モデルマウスの気管支洗浄液を採取し、ELISA法にてPG類の産生量を測定した。PGD2およびPGF2αの産生量が顕著に増加していた。肺炎モデルマウスにおいて産生量が増加していたPGD2およびPGF2aの受容体阻害剤を投与し、塩酸誘導性の肺炎モデルを作製した。PGF2αの受容体阻害剤を投与したマウスでは、肺サーファクタントの産生低下を伴う肺炎の悪化が観察された。これらの結果から、PGF2αが肺サーファクタントの産生調節に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺サーファクタントの産生調節に関わるプロスタグランジン類を同定できたことからおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
肺サーファクタントの産生を調節しているPGF2αの受容体の遺伝子欠損マウスを用いて、サーファクタントの調節機構を明らかにする。
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