2018 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性受容体を介した消化管蠕動制御の分子機構の解明と機能性消化管障害への応用
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18H06127
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井上 健 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613945)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 腸管蠕動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、消化管運動異常、内蔵知覚過敏、ストレスなどが多元的に関連すると考えられている機能性消化管障害に対する関心が高まっている。患者の健康関連QOLの低下が問題となっている。メントールがどのように消化管蠕動を抑制するのか。消化管運動異常と内蔵知覚過敏などが多元的に関連すると考えられている機能性消化管障害患者において、メントールの作用がどのようになっているのか。その疾患における病因にいかに関連しているのか。これらが本研究課題の核心をなす問いである。 私たちは、これまでにメントールを大腸粘膜に直接散布することで、腸管の蠕動が有意に抑制されることを報告した。メントールが消化管蠕動を制御するメカニズムの解明を検討する。これらは本研究独自のものである。メントールが消化管蠕動を制御するメカニズムの解明を検討する。これらは本研究独自のものである。近年増加傾向である機能性消化管障害におけるメントールの効果を検討する。消化管蠕動、内臓知覚過敏に関連する新たな治療の開発に向けた基礎研究を行い、今後の臨床応用への発展が期待できる点に、本研究の創造性がある。 ラット腸管(近位結腸)を用いた腸管蠕動評価モデルを確立した。ビデオ画像を用いた時空マップと、マイクロチップ圧トランスデューサーを用いた管腔内圧チャートにて、腸管蠕動の評価を行う方法を確立した。方法、Sprague-dawley rat(7-12w♂)、頸椎脱臼ののち近位結腸を3㎝取り出し、システムに接続し、ビデオカメラで撮影。撮影と同時に圧トランスデューサーによる腸管内圧の測定を開始。先端は肛門側より約1㎝の位置に固定。下記項目の測定を継続して行うことが可能となった。測定項目、AUC (cmH2O-sec)管腔内圧チャートの積分値、PPA (cmH2O)各収縮波の最高内圧の平均値、PF (回/min)1分毎に発生する収縮波の回数。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Kubota K et al. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol, 2015. 上記の既報に基づき、腸管蠕動モデルの作成を行った。また、時空マップ作成方法や、管腔内圧チャートによる評価方法も同様に既報に基づき行った。 上記の既報では、腸管蠕動を亢進させるモデルであった。われわれは、腸管蠕動を抑制することを目的としたモデル確立を目指し、既報のモデルに比し、解剖から実験までの時間を短縮することで、腸管蠕動の抑制を行うモデルを確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で腸管蠕動を抑制するためのモデルを確立した。今後は、TRPチャネルを介した腸管蠕動の抑制メカニズムの解明を目指して研究を継続する。
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