2019 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性受容体を介した消化管蠕動制御の分子機構の解明と機能性消化管障害への応用
Project/Area Number |
19K21243
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井上 健 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613945)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸管蠕動抑制 / TRPM8 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にラット大腸を用いた消化管蠕動も評価モデルを確立した。上記において、時空マップ、管腔内圧チャートを作成し、腸管蠕動の評価を行うことを可能とした。特にわれわれは、腸管蠕動の抑制を目的としたモデルを確立した。下記項目を測定することで、腸管蠕動を確実に評価することが可能となった。AUC (cmH2O-sec)管腔内圧チャートの積分値、PPA (cmH2O)各収縮波の最高内圧の平均値、PF (回/min)1分毎に発生する収縮波の回数。 ①TRPM8アゴニストであるメントールを用いて消化管蠕動抑制に関する検討を行った。TRPM8アゴニストであるメントールをラット腸管に投与し、消化管蠕動を対照群と比較検討した。我々はメントールを用いた臨床研究により大腸の蠕動を抑制することを明らかにしてきた。本実験において、ラット大腸を用いた腸管蠕動モデルにおいてもメントールは対照群と比較して有意に腸管蠕動を抑制することを確認できた。 ② 他のTRPM8アゴニストを用いて消化管蠕動抑制に関する検討を行った。TRPM8アゴニストであるWS12、イシリン、また低温水をラット腸管に投与し、消化管蠕動を対照群と比較検討した。TRPチャネルは、TRPM8やTRPV1がお互いに作用している可能性もある。その相互作用を考慮して実験結果を解釈する必要があった。上記いずれの薬剤に関して、5回以上の実験を繰り返し、実験の平均値を結果として用いた。より確実な結果を得られたと考えている。 本結果を解析した結果、TRPチャネルが腸管蠕動を制御している可能性が示唆された。
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