2018 Fiscal Year Annual Research Report
冠状血管内皮の起源探索-鳥類キメラ胚を用いた静脈洞内皮細胞のふるまい解明-
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18H06132
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
上村 竜也 朝日大学, 歯学部, 助教 (60825628)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 心臓 / 冠状血管 / 発生 / 内皮細胞 / キメラ胚 / 冠動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
冠状血管内皮細胞の起源については、静脈洞内皮細胞・心外膜原基・心室心内膜等が報告されている。本研究の目的は静脈洞内皮細胞がどのようにふるまうことで冠状血管内皮細胞に編入していくのかを明らかにすることである。その方法として、ウズラニワトリキメラ、蛍光色素標識、ウズラ内皮細胞を特異的に認識するマーカー(QH1)等を用いて検討をおこなった。その結果、心室自由壁の冠状血管内皮細胞は静脈洞内皮細胞に由来することが示された。一方で心室中隔の冠状血管内皮細胞に対しては静脈洞内皮細胞の寄与は少なく、他の起源細胞に由来することが明らかとなり、その正体は心室心内膜であることが示唆される。静脈洞内皮細胞が冠状血管内皮細胞として編入する詳細な時期については、心外膜原基が心室背側面に接着し原始心外膜を形成する段階で既にQH1陽性の細胞が心室壁に認められた。よって、今後は原始心外膜形成途中に相当する発生ステージを中心に解析をおこなうことで静脈洞内皮細胞のふるまいをより詳細に明らかにしたいと考えている。特に静脈洞内皮細胞が心外膜原基に侵入していく過程を観察するために心内膜の細胞接着分子としても知られ着目されているVE-Cadherinを中心に細胞の接着と遊走について解析を行いたい。さらにマウスを用いた遺伝学的解析による報告において、心外膜原基内に認められたとされるScleraxis陽性細胞についても静脈洞内皮細胞との関係性を明らかにしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規研究環境にてキメラ胚作製を実施し、当初の予想よりもより早期の発生ステージでの冠状血管内皮としての表現形を発見するなどが出来た。器官培養モデルについては確立が不十分な点もあるが、研究資金交付後の研究期間を考慮すると、おおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
キメラ胚によるin vivoでの解析は心外膜原基の心室胚側面への接着から原始心外膜形成途中に相当する発生ステージを中心に解析を行うことで静脈洞内皮細胞のふるまい解明を目指す。また、器官培養モデルの確立も目指し、より定量的な解析が出来るようにする。 静脈洞内皮細胞が心外膜原基に侵入していく過程は凍結切片上でVE-Cadherinを中心に細胞の接着と遊走について蛍光免疫染色を中心とした解析を行う。また心外膜原基内のScleraxis陽性細胞についても蛍光免疫染色による解析に取り組む。
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Research Products
(3 results)