2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study for Antimicropeptide Cathelicidin in Psoriasis, Infectious Diseases, and Metabolic syndrome
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18H06136
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 隼也 東北大学, 大学病院, 助教 (30712195)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 抗菌ペプチド / カセリサイディン / DAMPs/PAMPs / 乾癬 / 感染症 / メタボリック症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的なDamage-associated molecular patterns (DAMPs)であり、スカベンジャー受容体のリガンドとして知られる短鎖ヒアルロン酸およびhigh mobility group box 1 protein (HMGB1)をLL-37とともにヒト培養角化細胞(NHEK)に加えproximity ligation assay (PLA)を行ったところ、LL-37とスカベンジャー受容体(SR-A1, SR-B1)の結合はLL-37単独に比し有意に増加していた。これはLL-37がこれらのDAMPsと結合し、スカベンジャー受容体から取り込まれていることを示す。 また、ヒト単球/マクロファージ系の培養細胞であるTHP-1を分化させた後、酸化LDLをLL-37とともに加えてPLAを行ったところ、LL-37とスカベンジャー受容体(CD36, OLR1)の結合はLL-37単独に比し有意に増加していた。これはLL-37が酸化LDLと結合し、スカベンジャー受容体から取り込まれていることを示す。 さらに、種々の炎症性皮膚疾患の組織標本を用いてPLAを行ったところ、乾癬だけでなく、酒さ、慢性膿皮症、全身性エリテマトーデス、慢性円板状エリテマトーデス患者皮膚の表皮、好中球や組織球といった真皮内炎症細胞において、LL-37とスカベンジャー受容体(SR-B1)の結合は正常皮膚に比し有意に増加していた。これはLL-37を介したスカベンジャー受容体の取り込みが、乾癬だけでなく、LL-37が誘導される様々な炎症性皮膚疾患で広く炎症惹起に関与していることを示唆する。免疫染色では、標本内の好中球のほぼ全数がLL-37陽性であるのに対し、組織球は一部陽性に留まり、前者はLL-37の分泌を、後者はその取り込みを示していると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画のうち、「1: in vitro, ex vivoにおけるLL-37によるDAMPs/PAMPs取り込みの検討」についてはある程度進展が見られたが、「2: LL-37による酸化LDL取り込みの検討」にまでは至らなかった。また「3: LL-37トランスジェニックマウスにおける乾癬モデル、感染症モデル、メタボリック症候群モデルの検討」についてはマウスを供給する予定の研究室での作成が遅れており、取り組むことができていない。以上の経過から「やや遅れている」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画に対するエフォートを増やす。
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