2019 Fiscal Year Annual Research Report
慢性移植片対宿主病皮膚硬化マウスモデルにおける表皮角化細胞とIFNγの役割
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19K21253
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齊藤 明允 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (70830181)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性移植片対宿主病 / 皮膚硬化 / 皮膚線維化 / インターフェロンγ / TGFβ / アポトーシス / 表皮角化細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮角化細胞およびインターフェロンγ(IFNγ)が慢性移植片対宿主病(GVHD)の皮膚硬化における役割について、IFN-γ欠損 OT-I細胞移入群は、野生型細胞移入群と比べてこの皮膚硬化は有意に軽度で、真皮厚、真皮αSMA陽性細胞数やハイドロキシプロリン含量も低下していたことより、IFNγ刺激は皮膚硬化に寄与する。一方で、IFNγの刺激がある環境下で、表皮角化細胞のアポトーシスを起こさないグランザイムB欠損OT-I細胞移入群では皮膚硬化は生じなかった。これより、表皮角化細胞のアポトーシスが病態形成に必要と考える。野生型OT-I細胞移入群とIFNγ欠損OT-I細胞移入群で比較すると、皮膚さらに表皮におけるTGFβの発現が後者で低下していた。これにより皮膚硬化が軽度であったと考える。また、In vitro実験では、培養マウス表皮角化細胞にIFNγを添加し、さらにアポトーシス、ネクロプトーシス、ネクローシス誘導物質をそれぞれ添加し、アポトーシス誘導物質を添加した場合のみ、TGFβの産生が多くみられた。これらの結果により、慢性GVHDでは、自己反応性CD8 T細胞の標的である表皮角化細胞がアポトーシスに陥るとともに、自己反応性CD8 T細胞が産生するIFN-γの刺激によりTGF-βを産生することで、真皮線維芽細胞が活性化し、皮膚線維化が形成されると考えられる。本研究の成果を論文し、現在Journal of investigative dermatology誌に投稿中である。
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