2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19K21257
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阿松 翔 金沢大学, 医学系, 助教 (90827346)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボツリヌス毒素 / ヘマグルチニン / 腸管吸収 / トランスサイトーシス / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムを用いて候補分子およびそのファミリータンパク質のダブルノックアウトCaco-2細胞を樹立した。一方で、Caco-2細胞以外の培養細胞の使用についても検討した。マウス直腸がん由来CMT-93細胞は、上皮細胞間バリアを形成し高い経上皮電気抵抗値(TER)を示したことから腸管上皮モデルとして利用出ることが示唆された。CMT-93細胞の頭頂部側からボツリヌス毒素複合体を添加した場合、Caco-2細胞と同様に、毒素複合体がエンドサイトーシスおよび側底部側へトランスサイトーシスされることを見出した。細胞ライセートを用いたイムノブロットから、CMT-93細胞は候補分子を発現するが、ファミリータンパク質は発現しないことが明らかになった。以上のことから、候補分子および関連タンパク質の発現においてCMT-93細胞の方がCaco-2細胞よりもin vivoのマウス小腸上皮細胞と似ている事が示された。Caco-2細胞と同様の手法を用いて候補分子ノックアウトCMT-93細胞を作製した。現在、上記2つの細胞モデルを用いて毒素複合体のエンドサイトーシス/トランスサイトーシスと候補分子の連関を解析している。 腸管特異的に候補分子を欠損したマウスに対してボツリヌス毒素複合体を腹腔内(IP)投与または経口(IG)投与した。その結果、IP投与したコントロールマウスと欠損マウスは同等の毒素感受性を示したが、IG投与した欠損マウスはコントロールマウスと比較して毒素に対してより耐性である傾向を示した。以上より、マウス生体におけるボツリヌス毒素複合体の腸管吸収では候補分子が重要であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)