2019 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス由来蛋白質キナーゼのリン酸化基質の網羅的解析とその機能的意義の解明
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19K21264
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩堀 聡子 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80416164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EBウイルス / キナーゼ / リン酸化 / MTA1 / 蛋白質分解 / SF3B1 / EBV-PK |
Outline of Annual Research Achievements |
EBウイルス関連疾患治療の新たな標的としてEBウイルス由来蛋白質キナーゼ(EBV-PK)に着目し、そのリン酸化基質とリン酸化の機能的意義を包括的に理解することを目指した。EBV-PKによるリン酸化を細胞内の他のキナーゼによるリン酸化と区別する方法(chemical genetics approach)を開発し、質量分析法によりEBV-PKの直接的な標的因子として21因子(うち2つの既知標的因子を含む)を同定し、特にヌクレオソーム再構築デアセチラーゼ複合体の構成因子MTA1を解析した。MTA1がEBV-PKのキナーゼ活性を介してユビキチン化されること、及びプロテアソーム依存的に分解されることを見出した。MTA1配列中にはEBV-PKが好んでリン酸化するSer/Thr-Proの配列が6つ存在する。それらのSer/Thrを非リン酸化型Alaに置換したところ、EBV-PKによるMTA1の分解が一部抑えられたが、その量は完全には回復しなかった。EBV-PKによるMTA1中のリン酸化部位はこれらの6つのSer/Thrに加えて、それ以外にも存在すると考えられる。MTA1は非癌部より癌部で、さらに悪性度の高い転移部での発現が高いことが判明している転移関連因子である。EBV-PKは細胞由来cyclin-dependent kinase(CDK)の機能ホモログであり、MTA1のリン酸化を介した分解機構が細胞機能として保存されており、非癌部と癌部におけるMTA1量の変化を説明する可能性がある。 また、上記の21因子のうち、スプライシング因子SF3B1はEBV-PKに加えて、そのホモログであるヒトサイトメガロウイルス由来UL97キナーゼによってもリン酸化された。SF3B1はヘルペスウイルス由来キナーゼに共通の基質である可能性がある。
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Research Products
(3 results)