2020 Fiscal Year Research-status Report
血中マイクロRNAの測定による食道癌化学放射線療法の治療効果予測に関する研究
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19K21267
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 一也 東北大学, 大学病院, 助教 (80824177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道癌 / 化学放射線療法 / 血清中マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度中は、前年度に引き続き、化学放射線療法を行う食道癌患者からの血清サンプルの収集を継続して行った。COVID-19流行の影響により病院への患者の紹介状況が大幅に変化した影響もあり、当初予定していた条件の患者が大幅に減少した。このため予定していたペースで症例を登録できなかった。感染症流行の状況と、それに伴う患者動態の変動を鑑みると、今後も状況の改善がみこまれなかったことから、もともと12例で予定していたところを最終的に9例までにて打ち切り、登録を中途終了した。また、解析方法については当初連携研究室におけるマイクロRNAの抽出および次世代シーケンサーを用いた測定を予定していたが、COVID-19流行の影響で大学病院と連携研究室との間で行き来しての研究継続が困難となったため、サンプルについて受託業者に送付する方法でのマイクロRNA解析を用いることとした。令和2年度末の時点では、受託解析結果を受領しその内容について解析を進めている段階である。現時点で、治療効果良好群と不良群において複数のマイクロRNAの濃度が異なることを確認しているが、前述の理由により細胞実験による強制発現や阻害を用いた放射線感受性測定の実験を行うことが困難であることから、他領域の既存の報告を精査して食道癌治療の効果との関係性について推測することができるかどうか、検討を進めている。また、9例の登録症例については予後の調査を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19流行の影響により、下記の影響が出たため。 ①放射線治療科への患者紹介の状況が大幅に変化したことから、予定していた選択条件に合う症例が大幅に減少した。これにより症例の登録および血清サンプルの集積が困難となった。 ②病院-提携研究室間の行き来による研究の続行が困難な状況となり、当初予定していた方法によるサンプルの解析および細胞実験の実施が困難になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度中に血清サンプル中のマイクロRNAの測定結果を得たので、これの解析を行い、食道癌の化学放射線療法における予後予測因子となるマイクロRNAの同定を行う。細胞実験による解析が困難であることから、関連する他疾患の過去の研究報告を参考にして、食道癌症例における有効な予後予測因子となるマイクロRNAの同定を行い、英文誌への報告を目指す。
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